市政報告 横浜市子どもの貧困対策 自民党市会議員 松本 研
横浜市では、将来を担う子どもたちが、家庭の経済状況などにより養育環境の格差が生じたり、就学機会や就労の選択肢が狭まることによる貧困の連鎖を防ぐために、国が策定した大綱を踏まえ、平成28年度から5カ年で取り組む施策などを盛り込んだ「横浜市子どもの貧困対策に関する計画」を策定しています。
先進国で最悪の水準
家族一人あたりの可処分所得が、国の中央値(年244万円)の半分に満たない世帯で暮らす子どもの割合を「子どもの貧困率」と定義され、厚生労働省によると日本の子どもの貧困率は16・3%(平成26年)で、ひとり親など大人が一人の世帯に限ると54・6%と、先進国で最悪の水準となっています。
また、生活保護、所得税非課税など低所得世帯での児童虐待の発生割合は全体の65%、少年院における新規収容者のうち28・8%が貧困層の子どもたちともいわれており、子どもたちの成長にも大きな影響を及ぼしています。
本市においても0歳から24歳未満の子ども・若者のいる6000世帯や生活保護・児童扶養手当を受給している世帯などを対象に実態把握をしたところ、本市の子どもの貧困率は7・7%、ことに、ひとり親世帯では約半数が国の貧困線を下回る水準と推計され、厳しい状況にあるといえます。
生き抜く力に5つの施策
横浜の未来を担う子どもや青少年が健やかに育ち、自立した成長ができるよう、家庭の経済状況に関わらず、教育・保育の機会と必用な学力を保証し、逞しく生き抜く力を身に付けることができる環境を整えることを目的に、5カ年の計画期間の目標値を設定し、以下の取り組みを行います。
【1】『気づく・つなぐ・見守る』
妊娠期から学齢期、青少年期に至るまで困難を抱える子ども・若者・家庭に、日常の様々な関わりの中での気づきや関係機関のネットワークの充実による支援の強化、寄り添い・見守りによる孤立の防止、安心して暮らせる環境づくりに向けた、子育て支援策、学校や区役所等の連携、児童虐待の防止対策、生活困窮者への自立支援等の充実。
【2】『子どもの育ち・成長を守る』
困難を抱える子どもに対する保育・教育を高め、学齢期の子どもの放課後や青少年の地域の居場所づくり、ひとり親家庭に対する生活面や学習面でのサポート強化に向けた、子どもの育ち・成長の保障、ひとり親家庭等の困難を抱える子どもへの支援等の充実。
【3】『貧困の連鎖を断つ』
きめ細かな学習支援による学力向上や困難を抱える中学生に対する進学に向けた支援、学校や区役所・民間による相談支援や経済的支援に向けた、学習支援や進学および就学継続支援の充実。
【4】『困難を抱える若者の力を育む』
地域における若者の見守りや社会参加を支援する環境の推進、困難を抱える若者の相談・就労支援体制や自立に向けた環境整備の強化。
【5】『生活基盤を整える』
保護者に対する暮らしを保障するための経済的支援や自立に向けた生活支援のための生活基盤を支える現金給付、子育て世帯への経済的支援、保護者の就労促進支援等の充実。
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これらの取り組みを通して、横浜の将来を担う子どもたちが、健やかに成長し、家庭の経済状況によって教育の機会や職業選択の自由や奪われることのない社会が実現できるよう努力してまいります。
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