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公開日:2019.01.17

三溪園臨春閣
30年ぶりの大修理
屋根材の交換が中心

  • 三溪園内の臨春閣。第一屋に足場が組まれている=9日撮影

 中区三之谷の三溪園にある臨春閣(りんしゅんかく)の大修理が30年ぶりに行われる。屋根材の交換を中心に耐震対策も実施予定。この修理は来年5月までかかる見込みだ。今年の4、5月ごろに屋根の葺き替えを予定しており、見学会も実施するという。



 臨春閣は1649年に建てられた紀州徳川家の初代藩主・頼宣の別荘といわれている。1906年に三溪園の開園者である原三渓が入手し、17年に大阪市より同園に移築された。第一屋、第二屋、第三屋の三棟に分かれており、各棟を斜めにずらして建てる形式「雁行形」に配置されている。31年に国の重要文化財に指定。江戸時代初期の武家の別荘建築が希少であることや、シンプルな数奇家風書院造りが江戸時代初期の武家の別荘としては珍しいことから貴重な建物とされている。



 大規模な修理は戦後、58年と88年の2回実施されており、今回で3回目。今回は檜皮(ひわだ)や杮(こけら)の屋根材の交換が中心。屋根材の老朽化に伴い、大規模な修理に至った。合わせて耐震対策の工事も行う。



 1月8日から足場組みが始まり、第一屋はすでに足場に囲まれている。修理の終了時期は2020年5月頃の予定。工事期間中は足場などに囲まれるため外観が見えづらくなるが、屋根の葺き替え作業が見えるようにできるだけ工夫をしていくという。今後の工程については専門家と話し合いながら慎重に決めていく。



 (公財)三溪園保勝会の担当者は「いずれも貴重な文化財を将来に向けて良好な状態で残していくために必要不可欠な工事です。ご理解・ご協力をよろしくお願いいたします」とコメントした。



葺き替え見学会も



 屋根の葺き替え工事中には見学会を行う予定。詳細については決まり次第発表するという。

 

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