災害時に多くの人が集まる避難所。過去には全国的に女性や子どもへの性犯罪などが発生し、問題となっている。そこで、昨年7月末に中区内の関係機関が連携した避難所(地域防災拠点)の運営を考えるワーキンググループが結成され、3月11日までに全5回の会議が実施された。会議では、社会的弱者に考慮した同拠点の活用方法や運営するメンバーに女性を増やすことなどが検討された。
「女性及び建築環境の視点を取り入れた避難所運営ワーキンググループ」と名付けられた会議体は、吉田美幸副区長をはじめとした中区役所の関係者や警察官、消防団員、地域防災拠点運営委員など15人のメンバーにアドバイザーや事務局が加わり、全24人で構成。女性は15人中、12人と全体の8割を占める。
同グループは、中区危機管理・地域防災担当の西川厚係長の呼びかけで実現。西川係長は、東日本大震災のときに消防署員として被災地への出動経験があり「住民同士で助け合う場面が多数報道されていたが、見えない部分では女性や子どもの安全に課題があったことから、震災の備えとして女性の視点を交え、話し合う必要性を感じた」と話す。
全5回の会議で検討
これまでの会議において、発災直後は、男女や要援護者などが混在し、多くの被災者が地域防災拠点へ避難することが予想されることから、女性専用や介護・介助が必要な人の専用スペースの設定を優先させることを共有。また、トラブルを未然に防ぐため、同拠点の運営委員が不審者情報などを一元的に集約し全避難者に周知するなど、避難所の体制づくりについて話し合った。
会議に参加した山手消防団の望月輝子さんは「地域防災拠点運営委員会のメンバーにまずは女性を増やすことが大切だと感じた」と話す。
これらの検討結果を受け中区は、同拠点に女性専用などのスペースを作るパーテーションの配置をはじめとした環境づくりを進めるとした。
アドバイザーとして参加した関東学院大学建築・環境学部の山口温准教授は「事前防災の視点から、大学も地域住民の方々と日頃から協働し、課題解決に努めることが重要と考えています」と協働の大切さを述べた。
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