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公開日:2024.09.05
全信協会長就任の平松氏
「信用金庫の伝道師に」
地域金融機関の「かながわ信用金庫」の理事長が16年ぶりに交代した。ICTの普及やDX化など金融機関を取り巻く環境は大きく変化しており、時代に即応した新しい金融機関の形をつくり出すという。平松廣司会長にトップ交代の決断と全国信用金庫協会会長就任の意気込みを聞いた。
──理事長職を退き、会長に就いた。
「『かながわ信用金庫』に名称変更して丸10年。念願だった県央の綾瀬に出店し、横浜関内に営業拠点となる横浜営業部も開設。預金量は1兆円を超え、強固な経営基盤の確立とともにネームバリューの向上が図れた。16年前の理事長就任時に描いた経営戦略の青写真を7〜8割実現できた。その一方、信用金庫も企業と同様に成長がなければ存続できない。DX化などへの対応も不可欠。組織として適切な新陳代謝が必要であり、その時期だと判断した」
──物価高に人手不足と地域経済を取り巻く環境は依然として厳しい。
「金融機関も同じ。そうした条件の中でしのぎを削っている。経営判断として合理化や効率化を推し進めることは一つの方策だが、当金庫は『店舗なくして地域を守ることはできない』というスタンス。既存店の撤退は考えていない。地域の金融機関として踏ん張りどころだ。横浜・藤沢といった成長が見込めるエリア戦略を進めていく。毎年50人程度を新卒採用しており、人材への投資も重要視している」
──全国信用金庫協会の会長に就任した。
「全国254ある信用金庫の地位向上と中小零細企業支援のための要望などを政府や関係機関に行う組織。責任ある地位だ。全国には地銀に負けない取引量を誇る都市部の金庫があれば、小規模ながら地域との良好関係を築いて存在感を示している地方の金庫もある。日本経済を支えているのは国内全企業の99%を占める中小零細企業。融資だけでなく、経営改善や事業再⽣、事業承継が重要性を増しており、サポートを行う人材の確保と育成を信用金庫全体で取り組む必要性を感じている。地域や顧客に密着したサービスの提供こそが信用金庫の存在意義。フェイス・トゥ・フェイスで対応する原点のスタイルなど、信用金庫のあるべき姿を説いていく伝道師として全国各地に出向き、信用金庫のブランド力アップに全力で取り組む。現地で見聞きした事例などは組織の力を高めることに活用したい」
かながわ信用金庫
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