6月5日の朝7時30分、みなと総合高校=中区山下町=の食堂の入り口には長い行列ができていた。その先には「みなと食堂」の暖簾。並んでいる生徒が楽しみに待つのは出来たての朝食だ。
同校は市の食育実践推進校に選ばれている。昨年度、朝食の喫食率向上を目指して5日間、朝食の無料配布イベントを開催した。昨年度は企業からの支援を受け、調理の必要のない食品やレトルト製品を温めて提供していた。
今年度は、磯子区で子ども食堂を開く高野しのぶさんやそのスタッフ約20人が協力。調理室で作った食事が提供されることに。5日は、魚と野菜のホイル包み焼きやマカロニサラダなどが無料で振る舞われた。120食分のチケットは当日までに配布終了する人気ぶりだった。
自立促す経験を
食堂の開店にあたり、生徒からボランティアを募ると約40人が名乗りをあげた。当日は調理班と配膳班に分かれ、高野さんらの指示を受けながらテキパキと働いていた。生徒は「いつもより1時間早く起きた。一仕事終えてみんなで食べる朝食は格別に美味しい」「温かいご飯に活力が湧いてきた。いいスタートが切れそう」と話した。
高野さんは助産師の経験を持ち、学校などで性教育の授業を行っている。昨年度、同校で指導した際に食育担当の荒川博之教諭に相談されて協力を決めた。「親が食べないから食べないという子も。調理から生徒と一緒にして、自分にもできるんだという経験、自立につながれば」と話す。
「みなと食堂」は10社の協賛企業から食品や食材の提供を受け、6月から半年間、月に1回開店する。
![]() 6月に提供された朝食
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