中区・西区・南区 人物風土記
公開日:2026.03.12
日本凧の会横浜支部の会長を務める
鈴木 勇さん
西区楠町在住 78歳
「だから凧は面白い」
○…凧の文化を次の世代につなげるため、5代目会長として精力的に活動する。毎年恒例、海の公園の凧揚げ大会では手作り凧を子どもにプレゼント。来年は横浜で全国大会を予定し、準備に奔走する。横浜支部といえどもイベントは全国。現役時代は金曜の仕事終わりに各地に向かい日曜の深夜に帰るハードスケジュールをこなした。「これまでの会費や遠征費を考えると家が建つよ」とおおらかに笑う。
○…情熱を注ぐ日々は突然訪れた。息子の端午の節句飾りの凧を揚げてみようと思いつき、家族で由比ガ浜へ。全く揚がらなかったが、その場にいた愛好家の手にかかると簡単に空に浮かんだ。勉強してみたいとの思いがふつふつと湧いた。40代半ばで会に入会。先輩の手伝いから始め、揚げ方、絵の描き方、作り方を学んだ。「自分で作った凧が揚がるまでに7、8年かかった。その時の感激は忘れられない」と目を輝かせて振り返る。
○…宮大工だった叔父に弟子入りし、45年前に横浜で建設事務所を立ち上げた。「ものづくりはこれでいいということがない。次から次へと良いものを求める」。その思いは凧にも通じる。会に入ってから日本画の教室に通い絵の腕も磨いた。子どもたちに教える機会があれば「自分がやりたいと思ったことを1番になるまでやることが大切」と伝えている。
○…自宅にはこれまでの作品を保管する「凧部屋」が2つ。「足の踏み場もないよ」と苦笑い。2019年に中国で行われた世界大会では銅賞に輝いたが、それでも満足することはない。今の夢は風速20mを越える冬の青森県龍飛岬の強風の中で凧を揚げ、ギネス世界記録に名を連ねること。「人ができないことをするから面白い」――探究心は尽きることがない。
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