戻る

保土ケ谷区 コラム

公開日:2024.10.24

日蓮宗樹源寺 権住職 日比(ヒビ)宣仁(センジン) 連載42
法話箋 〜鹿苑〜
「相対的な事物(じぶつ)」

 世の中の事物は常に相対的であり、そのもの自体の概念は固定できるものではありません。例えば、「青い海」と聞いた場合、南国の青い海を見て育った人が連想するものと、鎌倉の黒色に近い海の側(そば)で暮らしている人が想像するものは、別物でしょう。つまり、「青い海」の概念は固定して考えることができないということです。同様に、人生の苦難や困難も、固定的に考えるべきではなく、相対的に考えるべきであると思います。但(ただ)し、相対的に考えるとは、「紛争地帯の貧しい子供たちに比べれば、私の苦難など大したものではない」という考え方ではありません。それは単なる比較です。そもそも、苦難に対する認識は心によってなされます。すなわち、目の前にある苦難は、心の状態に相対しているのです。例えば、海で遭難した時、一緒にいる相手が嫌いな上司である場合と、思(おも)い人(びと)(心に思う人)である場合とでは、その苦難の感じ方は雲泥の差でしょう。

ピックアップ

すべて見る

意見広告・議会報告

すべて見る

保土ケ谷区 コラムの新着記事

保土ケ谷区 コラムの記事を検索

コラム

コラム一覧

求人特集

  • LINE
  • X
  • Facebook
  • youtube
  • RSS