保土ケ谷区 コラム
公開日:2026.06.25
日蓮宗樹源寺 権住職 日比(ヒビ)宣仁(センジン) 連載62 法話箋 〜鹿苑〜 「安居の季節」
湿度が高く雨の日が多くなり、草木の成長が早くなる季節、そこかしこに虫が発生します。古代印度(いんど)の旧暦四月十六日より七月十五日の間はそのような季節です。その期間、仏教の出家者は、屋外の這う虫や飛ぶ虫を知らないうちに踏み殺さないよう、外出をせず、僧院(ぞういん)に籠(こも)り、学問と修行に耽(ふけ)りました。仏教では生き物の命を奪うことを厳しく戒めるからです。この期間のことを雨安居(うあんご)、あるいは安居(あんご)と呼びます。『仏説盂蘭盆経(ぶっせつうらぼんきょう)』によれば、安居中、僧は学問と修行に専念することにより、多くの功徳を溜めます。つまり、安居の最終日である七月十五日(解夏(げげ)と呼ぶ)の僧には、安居中の功徳が一番多く蓄えられていると考えるのです。そして、そのような僧による先祖供養は必ず先祖を成仏させる、と信じられてきました。これがお盆の時期の出典です。ただし、『仏説盂蘭盆経』は印度ではなく中国で成立した経典なので、お盆の文化は漢字文化圏(中国・日本)だけに広まりました。
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