鶴見警察署長として3百人を超える署員の指揮を執る 渡邉 道雄さん 区内在住 58歳
発想と興味で街を守る
○…3月19日付で新署長に就任した。前任は県警の刑事総務課。「警察の仕事は地域の理解と協力が不可欠。土地や風土、文化を知らないとできない」。就任から約1カ月。街を知るため積極的に地域と触れ合っている最中だ。初めての鶴見は、「人と車の動きが多く、活気を感じる」という印象。「どんどん好きになりたい」と意欲を見せる。
○…1976年に県警に。採用前、ルールなど厳しいイメージだった警察官。「入ったらやっぱり厳しかった」と一笑。一つの課を継続することが多い警察の中では珍しく、交通、警備、刑事と渡り歩いた。「たまたまそうなった。どこにでもやりがいや楽しみはあった。良い経験」と柔軟だ。鎌倉署以来となる2回目の署長職。「明るく風通しのいい職場にしたいね。内にも外にも」。就任の訓示で、署員にもそう伝えた。
○…生まれ育ち、居を構える金沢区を離れ、現在は区内の公舎でひとり暮らし。ここ数年、楽しんでいるのは自転車。愛車を自宅から運び、運動もかねて区内を回っている。「時間があまりなくて、ようやく鶴見駅の東側を走った。これからは山のある西側に挑戦する」。
○…自らを「発想癖がある」と自嘲気味に笑う。「マンホールの形って面白いなとか、この造形はこれと共通しているとか。考えることが好き」。その最たる結果が、犯罪情報をデータ化し分析することで犯行を予測するシステム「神奈川版コムスタット」の開発だ。現在、県警全署で導入され、実際に犯人検挙に至った事例もあるシステムをほぼ一人で考案した。「96年に異動したシステム開発班で考えた。当時、交通事故防止のための統計システムが出たばかりで、それを見てひらめいた」。システム開発の知識はゼロ。得意な仲間の手を借りながら、興味だけで実現にこぎつけた。「うまく使えば、鶴見の犯罪はもっと減るはず」。目の奥に力強さと心強さが光った。
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