生麦事件参考館の浅海武夫館長(85)の横浜文化賞、神奈川県知事特別賞受賞を祝う会が6月25日、ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテルで開かれた。
浅海さんは、明治維新から近代日本につながる生麦事件について、30年以上にわたり研究。独自に国内外から貴重な資料を集め、私設の参考館を設立したことなどが認められ、昨年11月に横浜文化賞、今年3月に、神奈川県知事特別賞を受賞していた。
会は、生麦事件に関する著書もあり、浅海さんと親交のある元神奈川県知事の松沢成文参議院議員が発起人代表となり企画。多くの来賓が駆けつける中、約100人の参加者が浅海さんの快挙を祝った。
専門家も唸る資料収集
生麦の酒店に生まれ育った浅海さん。生麦事件を研究するようになったのは、家業を継いだ後の1976年から。鹿児島から偶然来店した男性に、生麦事件碑を案内したことがきっかけだった。後日届いた礼状に、「日本にとって歴史的意義のある事件なのに、資料館の一つもない」とあった。
「地元に住んでいるのに何も知らなかった。何かしなければと思った」と浅海さんは振り返る。
以後、19年をかけ、専門家も驚くほどの貴重な資料の数々を収集した。94年、私財を投じて生麦事件参考館を開設。早稲田大学文学部史学科で10年間、近代史を学び直し、語り部として全国各地で行った講演は255カ所を数えた。
一度は閉館も
昨年5月、浅海さんの体調不良などを理由に閉館した同館。閉館後に受賞した浅海さんは「賞をもらったのにかっこつかない」と、再オープンを決意。現在はこれまで通り開館中だ。
会当日、「生涯で今日が一番晴れがましい。やってきてよかった」と喜んだ浅海さん。今後も体が許す限り続ける意向を示し、その後は鶴見歴史の会への移管も考えているという。
□生麦事件…1862年8月21日、当時の生麦村で大名行列に乱入した英国人4人を薩摩藩士が斬りつけた殺傷事件。その後、薩英戦争から明治維新につながり、日本の近代化の発端となった。
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つるぎん27日に4月25日 |
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