駒岡の常倫寺(上原良廣住職)の境内にあった樹齢330年超の大イチョウが、10月1日の深夜から未明に関東を襲った台風24号の影響を受け、上部約10mを折られる被害にあった。上原住職は「地域に愛された木だったので残念」と肩を落とす。
常倫寺のイチョウは、横浜市指定の名木で、樹齢330年、目通周(目の高さの直径)は4・11mで、樹高は21mあった。毎年秋になると黄色く色づき、地域の人たちの目を楽しませている名木。江戸時代、一子を得た久志本左京亮夫妻の妻の乳が出ず、このイチョウの木の下で途方に暮れていたところ、乳房のように垂れ下がった枝から乳が流れ出て命をつないだという乳母銀杏伝説を持つ。
すき間に落下
被害にあったのは10月1日の深夜から未明。前日の30日から日本列島を縦断した台風24号の影響で、横浜市内ではこのとき、10月としては歴代2位となる最大瞬間風速38・5mを記録していた。
「バタバタと音がしていたが、まさか折れるとは思わなかった」と上原さん。朝、外に出て初めて気づいたという。
折れたのは上部で、全体の半分の約10m。「落下したのが本堂と寺務所の間だったため、けが人もなく、屋根が少し壊れる程度で済んだ。よくここに折れてくれた」と不幸中の幸いだったとする。
1955年ごろに落雷により上部が焼けた以外は、台風などにも耐えてきた大イチョウ。同寺は折れた部分について、何かに活用できないか検討していくという。
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