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鶴見区 人物風土記

公開日:2019.01.24

本と楽しむ大人時間「茶ばしら」の代表を務める
齋藤 マリ子さん
佃野町在住 72歳

「知らない世界」声で届ける

 ○…区内の高齢者施設を回り、朗読や紙芝居、歌などを使って利用者に楽しいひと時を届ける「本と楽しむ大人時間 茶ばしら」。子どもっぽい作品を選ぶと嫌がられてしまうことも多い。「“大人向け”がキーワード。発表は作品を選ぶところから始まっている」と工夫を凝らす。「茶ばしらが立つと縁起が良いと言われるから嬉しいでしょう。発表を聞いた後に、そんな温かい気持ちになってほしい」

 ○…子どもの頃から本が大好き。電車通学だった学生時代。帰宅時、友人が先に降りるとすぐさま本に没頭した。「自分の知らない世界に出会えるのが何より面白い」。長らく住んでいた鎌倉を離れ、22年前に夫が昔住んでいた鶴見に来た。当時は知り合いもおらず、友人作りにと視覚障害者のための音声訳や児童向けの絵本読み聞かせなどのボランティアを開始。「茶ばしら」は3年ほど前に開かれた区と図書館による読書講演会が発足のきっかけ。出席者を中心に自主グループが立ち上がった。「発表を聞いて、表情が鈍かった人がにこにこと笑っている」。そんな声をもらった時はやりがいを強く感じる。

 ○…「本当は人前で話すは苦手なの」と笑うが朗読となると人が変わる。「自分も楽しいし、声の抑揚で感じてもらえるのが面白い」と魅力を話す。正月に可愛い孫と会えるのが幸せ。得意の手芸であみぐるみを贈るなど、愛情深さも垣間見える。

 ○…施設は増加し、依頼は増えているが、会員は11人ほど。全ての要望に応えられないというもどかしさを抱える。願いは会員の増強。「利用者の方に楽しんでもらうのはもちろん、職員の人たちの息抜きにもなれば」。団体の役割は多岐に渡る。「これまでお世話になってきたから少しでも社会に貢献したい」。ひたむきに活動を続ける。

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