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魅せます!鶴見のものづくり企業【2】 深海を探究して92年 鶴見中央 株式会社鶴見精機

掲載号:2020年12月10日号

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 京浜工業地帯の中核である鶴見のものづくりに関わる企業の魅力を掘り起こすコーナー。今回は、鶴見中央の(株)鶴見精機を取材した。

日本製を作りたい

 深海までの海洋を観測できる精密則器の製造を行う同社。観測された海水温などのデータは国内外の海の研究者が使用。気候変動現象の解明や、食卓に並ぶ魚介類や藻類といった水産資源の推移調査に役立てられる。

 同社は1928年創業。当時、日本で使われている海洋観測機器のほとんどが諸外国からの輸入品であったことが、創業者の心に火をつけた。「日本人の手で作ろう」。2名の従業員と鶴見で事業を始めた。

革命的な開発

 これまで同社が取得した特許は50を超える。

 1997年にはオンリーワン製品として国際特許を取得した測機「XCTD」を生産。船を止めてが主流だった時代に、航走中の船から水温や塩分の計測を可能にした。

 これを更に進化させ、空からの投下で観測を可能としたのが「AXCTD」。氷ばかりで船が進めない極域などでの測定を実現した。米国航空宇宙局NASAが進める北極海調査プロジェクトにも使われた。

世界初の深海4千m

 2012年には、独立行政法人海洋開発機構と共同で、世界で初めて深海4千mまでを無人調査できる観測機「ディープニンジャ」を商品化。これまで十分なデータが得られていなかった南極周辺などの継続した観測を実現した。G7伊勢志摩サミットでは、各国の首脳に紹介された。

 海洋観測から始まった技術開発は、河川やダムなどの分野にも及び、現在では大気観測にまで広がっている。

 地域では、開校当初から、横浜サイエンスフロンティア高等学校の文化祭の企業ブースで観測機器の展示などを実施。

 三代目の立川道彦社長は「従業員全員が、自分たちで性能の良いモノを作ろうという精神でやってきた」とし、「今後はこの技術を他の分野にも活かせないか考えている」と意欲を見せる。

 伝統の技術を継承しながら、地球環境向上のため、奔走していく。
 

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