横浜市内で昨年一年間に発生した火災・救急出場件数の概況(速報値)がまとまり、鶴見区では火災発生件数が前年比27件減と、市内18区中最も減少したことがわかった。一方で、過去10年間の平均では市内最多となっており、「引き続き啓発に努めたい」と鶴見消防署は話す。
2年連続で市内ワーストだった鶴見区内の火災発生件数。昨年一年間は49件で前年比27件減と、市内で最も減少した。区別にみると、中区(58件)、戸塚区(51件)、鶴見区と続き、最少は栄区の12件だった。
区内の主な出火原因は、「たばこ」13件、「こんろ」と「電気設備」が6件、昨年最多だった「放火」が3件となっている。
昨年一年間のみでは大幅に減少しているものの、過去10年間の平均発生件数は78件と、市内最多の状況。鶴見消防署は「年々減少傾向にあるが、たばこが依然として多いなど、継続して注意していかなくてはならない」とし、防火意識の向上に努める考えを示す。
市内出火率が過去最少
横浜市全体としては、昨年発生した市内の火災件数は624件で、前年の685件から61件減少。人口1万人あたりの火災件数をさす「出火率」は1・7となり、前年の1・8から減り、1948年の市消防局発足以来最少なった。
火災件数は前年より61件減少した一方、火災種別では、建物火災の380件(60・9%)のうち住宅火災が266件で、前年より8・8%増加。全体の7割に上り、過去10年間で最高となった。
市内の主な出火原因の上位は、「放火(疑いを含む)」が140件(22・4%)、「たばこ」100件(16・0%)、「こんろ」73件(11・7%)だった。
12年ぶりの減少
救急出場件数、搬送人員は、過去最多を更新してきた近年から一転し、市全体で12年ぶりに減少。救急出場は前年から1万7756件減の19万4639件、搬送人員は1万8563人減の16万4083人だった。
鶴見区は前年比1400件減の1万4245件となり、港北区、中区に次いで3番目の多さだった。
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