第1回うしおだ食料支援&なんでも相談会実行委員会の委員長を務める 野末 浩之さん 本町通在勤 59歳
隠れたSOSと向き合う
○…潮田公園で行われる食料支援企画のまとめ役。「鶴見は外国の方や航空機関で働く方も多い。助けを求められず困っている人の手助けが少しでもできれば」。普段は精神科の医師であり、うしおだ診療所の所長。「鶴見の人は裏表のない。本音で話してくれる人が多い人情味溢れるまち」。地域のため、できることを模索する。
○…父が汐田総合病院2代目院長。忘れられないのは16の時、盲腸になった自分の手術を父が担当したこと。「当時はなんでと思いましたけどね」。地域医療を志す背中を見て育った。文系科目が好きで悩んだ進路。精神科医という選択肢を見つけ、その道へ進んだ。研修の際には、救急で神経内科や外科を担当。身体の病を看ていた時には見えなかった心の病が、精神科医として働くと驚くほど沢山表れた。「表面上は分からないもの。困っていると言えない人は多くいる」。行政の心の健康相談窓口など様々な所に赴き、隠れた病と向き合う。大切にするのは十分に話を聞くこと。「初診は最低30分はとって人間関係を作るようにしています」
○…3人の子の父。長女は看護学部に進学。「面接では親の姿を見てって言ったみたいですが。本当は分からない」と笑う。「これまで学んだ知識は子育てには役立たない」と話すのは父の顔だ。「昔は25m泳げたなと思って」と、50歳で水泳を始め、今ではダイビングの資格も持つ。
○…高齢で心の病がある人は施設入居が難しいこともあるという。「そんな人を最後まで看取る体制があれば。なければ作りたい」。節々から、誰も取り残したくないという思いが伝わる。「辛さを我慢している人が多くいるはず。力になりたい」。隠れたSOSと向き合うために奔走する。
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