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公開日:2023.11.30

東寺尾中台在住
日比さんが金賞受賞
障害者の全国音楽コンクールで

  • 金賞のメダルを手に喜ぶ日比さん

 東寺尾中台在住で、寺尾中学校個別支援学級に通う日比基就さん(14)が、このほど開かれた「第2回Para国際音楽コンクール」で最高賞となる金賞を受賞した。知的障害と自閉症があり、5歳からピアノを始めた日比さん。今後も様々なコンクールの全国大会が続き、日々練習を重ねている。

 同コンクールは、音楽を通して障害者の可能性や活躍の場を提供するものとして、パラ・アーティスト・マネージメント協会が主催するもの。

 兵庫県で行われた全国大会には、100人以上の応募の中から動画審査を通った、盲目や呼吸器疾患、発達障害などのある幅広い年齢層の26人が出場。ピアノやフルート、トロンボーンなどで日頃の成果を披露した。

 日比さんは生後すぐに心臓病や気管切開の手術を受け、4歳まで医療的ケア児として度々入院する日々を送った。成長して気管カニューレを抜去したあとも困難が続き、知的障害と自閉症の診断を受けた。

5歳で出会ったピアノ

 その生活の中で、日比さんが5歳の時に出会ったのがピアノだった。母親の陽子さんが、同年代の子どもたちと交流させたいと、自宅近くの寺尾地区センターで開かれていたリトミック教室に参加。「病院でブザーや機械音に馴染みがあったのか、ピアノで同じような音を出そうと楽しんでいた」と陽子さん。そこで出会った先生のピアノ教室に通うようになった。

 小学3年生からは個人レッスンに通うようになった基就さん。「学校が終わって友達と遊んだりするのが難しい中で、親子で取り組めるのがピアノだった」と陽子さん。集中するのが難しい時もあるが、毎日2時間ほど練習し、6年生からはコンクールにも出場。一般の年齢別の全国コンクールで金賞などを受賞してきた。

 今回のコンクールでは、ショパン「エチュードOp・10―4嬰ハ短調」など3曲を演奏した基就さん。「緊張せずに楽しく弾けた。全国で金賞を取れて嬉しかった」と笑顔で喜びを語る。

 今後の活躍も期待されるが、「可能性は広げてあげたいが、目標を高くしすぎないようにしている」と陽子さん。最近は知人に誘われて地域の音楽会に参加したこともあるそうで、「ピアノと出会って一番の喜びは、地域の方々や社会とつながり、本人の自信にもなっていること。無理しすぎず、基就が一番幸せと思える道を今後も支えていきたい」と話した。

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