神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
神奈川区版 公開:2014年11月20日 エリアトップへ

市産後ケア事業から1年(上) 167人利用 不安軽減に

社会

公開:2014年11月20日

  • LINE
  • hatena

 横浜市が昨年10月に開始した「産後母子ケアモデル事業」。産後の母親の育児不安を軽減する目的で、地域の助産院が委託先となり母子をサポートする。国の事業化に先駆けた、神奈川県内初の取り組みと謳われ1年が経過。現状と課題を取材した。

 同事業の対象は、ホルモンバランスの影響などで心身ともに不安定になりやすい産後4カ月までの母親。申請を受けた区の助産師や保健師が訪問面談し、支援が必要となれば委託先の助産院につなぐ。

 自己負担1割で、助産院に7日間まで宿泊できる「ショートステイ」や日帰りの「デイケア」を利用できるのがメリットの一つだ。心身が休まる環境で、専門性の高い助産師が直接指導。育児不安を早期に解消し、不安やストレスから起こる児童虐待を防止する役割が期待されている。市こども青少年局こども家庭課によると、委託先である市内8カ所の助産院で、昨年10月から今年8月までに167人の利用があったという。

「育児に自信持てた」

 同局が未就学児を持つ約3万世帯から得たアンケート(2013年度)では、74%が「第一子を持つ前に赤ちゃんの世話をしたことがない」と回答した。

 「今まで赤ちゃんに関わったことがなく不安だった」と話すのは、3月に初産を経験した28歳の女性。共働きの両親を頼ることができず、赤ちゃんの体重も減り続けた。「パニックで毎日泣いていた」と当時を振り返る。その後、保健師と面談。翌日に7日間のショートステイが決まった。「泣き止まない時の対処法、授乳方法など困った時にリアルタイムで指導してもらえ助かった」と話す。育児への自信もつき、不安で泣くことはなくなったという。

 同課によると、市内の年間出生数は3万1000人前後。12年度の調査ではその3人に1人が、35歳以上の高齢出産だった。「床上げ3週間といわれるくらい産後のサポートは必要。ただ現在は高齢出産など、出産の多様化もあり実親らの支援を受けにくい状況になっている」と担当者は話す。夫婦共働き、実家が遠い、実親が高齢または祖父母の介護中――援助が受けられない環境は様々だ。市内の助産院院長も「子育ては思い通りにいかないもの。心身ともに不安になりやすい時期はつまずいた時に手助けする場所が必要」と支援の重要性を訴えた。

 一方、同事業は全ての母親に開かれているわけではなく、申請が下りないケースもある。次回は課題と今後について探る。

―つづく

神奈川区版のローカルニュース最新6

總持寺・花月園を巡る

神奈川歴史散歩

總持寺・花月園を巡る

5月25日(土)、約4キロ

4月25日

食と音楽の「混沌」楽しむ

食と音楽の「混沌」楽しむ

六角橋商店街「ヤミ市」

4月25日

プロの指導で吹奏楽

かなっくホール

プロの指導で吹奏楽

5日間の特別体験

4月25日

アートで社会課題を表現

EduArt

アートで社会課題を表現

区内児童の作品も多数

4月25日

最上階施設の開業日決定

鶴屋町高層ビル

最上階施設の開業日決定

6月20日 イベントホールなど

4月25日

非常用トイレ備えて安心

自宅便座に簡単設置

非常用トイレ備えて安心

マンションで逆流トラブル

4月25日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 4月18日0:00更新

  • 2月29日0:00更新

  • 2月15日0:00更新

神奈川区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

コラム一覧へ

神奈川区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月25日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook