神奈川区版 掲載号:2016年6月30日号 エリアトップへ

連載寄稿 イルカ博士の生命感動日記 ㊸観察することが何より大切

掲載号:2016年6月30日号

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 日本で唯一野生のイルカと泳げる御蔵島は、東京の屋久島と呼ばれるほど多くの植物を育む大量の水が湧き出ています。イルカウオッチングボートで、断崖絶壁の島肌を背にしばらく進むと、島の南端にある白ひげの滝に着きます。

 ボートの先端や後方に親子のイルカがゆっくりと泳いでいるのがよく見えます。

 ボートのエンジンを止めると、周囲をぐるぐる回りはじめる群れに出会いました。子どもたちは、シュノーケルをつけるとすぐに水着のまま入水してプカプカと浮かんで遊んでいると、イルカたちは急に滝のほうへ行っていなくなりました。

 しばらくすると、イルカの親子が目の前に現れました。急いで消え去ったときより、どこかゆったりとして、黒い肌が美しく磨きあげたようにピカピカ輝いているようです。さて、この滝の中で彼らはいったい何をしてきたのでしょか。ぼくは次のように観察しています。

 まず、外洋でからだの表面に付いた寄生虫や雑菌などを山から流れ落ちる真水で消毒して表皮をクリーニングします。次に、滝の真水で取れない付着物は、島に多い大小の玉石にこすり付けて肌に傷ができるほど磨き落とします。まるで僕らが玉石を敷いた岩盤浴などの温浴施設で汚れた汗を流す様子によく似ています。

 御蔵島のイルカたちの感染症への予防策は、こんな自然を利用した先祖代々の知恵だと思います。イルカさんのからだはケアしているからこそ輝いて健康で長生きなのかもしれません。

【日本ウエルネススポーツ大学特任教授・岩重慶一(問)iwashige@gmail.com】
 

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