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神奈川区 人物風土記

公開日:2016.11.17

傾聴ボランティア・うさぎの代表として精力的に活動する
小林 知津子さん
白幡南町在住 62歳

寄り添う気持ち大切に

 ○…傾聴とは、文字通り相手の気持ちを聴くこと。進む高齢化社会の中で、心身に問題を抱える人に対する聴き役の重要性は増している。市内でも1・2を争う傾聴ボランティアの代表として、41人のスタッフとともに区内8施設で活動にあたる。「相手を思う心、いわば寄り添う気持ちが大切。全身を耳にしてお話を聴いています」。団体名の「うさぎ」には、こうした思いが込められている。

 ○…下町は深川の生まれ。三人姉妹は幼いころから、出入りする多くの弟子とともに母から箏の稽古を受けた。「お稽古が忙しくて、短大生になるまで喫茶店にも入ったことがなかったのよ」。青春時代は箏に捧げた。一定の技能を習得し家元から芸名を許される「名取り」となり、数年前まで演奏会で腕前を披露していた。

 ○…亡き夫とは22歳のときに結婚し、35年前に横浜へやってきた。明るく、社交的な人柄から、子どもの通う幼稚園では父母の会の会長、小学校でもPTA副会長に抜擢された。「会長だけはやりたくなかった」。半ば逃げるように社会復帰したものの、心の片隅に「地域へ還元したい」という思いが残っていた。

 ○…パートを辞めたのを機に、精力的にボランティアに励む。子ども向けの活動は15年。区社協の養成講座に参加したメンバーで、2012年に「うさぎ」を設立し、これまで2回の養成講座を開催した。多彩なカリキュラムが好評で会員数は増え続けている。「やりたい気持ちは大切にしたいが、傾聴技術の向上も必要」とレベルアップの必要性を課題に挙げる。

 ○…多忙な毎日の息抜きは料理。地場野菜を求め、菅田や羽沢の農家まで買い付けに行くこともある。「美味しい肴に麦焼酎があれば何もいらない」。12月からは、民生委員の肩書も加わることになった。「気持ちが通じ優しい言葉をかけてもらえれば、疲れなんて吹き飛びますよ」

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