神奈川区 人物風土記
公開日：2025.12.25
スポーツチャンバラ世界選手権のクラブ対抗団体戦基本動作部門で優勝した
田村 江見子さん
反町在住 62歳
師弟の絆で「世界一」
○…11月に横須賀で行われたスポーツチャンバラ世界選手権。その「基本動作」の団体戦において、手塩にかけて育てた教え子の兄弟と３人でチームを組み、結成２年で見事優勝を果たした。「自分の弟子と一緒に出るのが夢だった」。実は大会１週間前に左足を疲労骨折していたが、「ここまで来たらやるしかない」と、２人には内緒で痛みを堪えて出場し、悲願の頂点に立った。
○…競技歴は30年弱。夫が協会の設立に関わっていたが、当初は「人を叩く行為に抵抗があった」とやる気は皆無だった。転機は幼稚園児だった息子に体験させたこと。「お稽古について行くようになり、なし崩し的にやるようになった」。しかし、指導者として子どもたちと接するうちに楽しさに目覚め、今では夫と自宅兼事務所で道具修理のブランド「イスカ横浜」を手掛け、県協会の理事も務めるなど、生活の全てが「スポチャン漬け」の毎日を送る。
○…「教室では私が一番厳しいかも」と笑う。指導のモットーは率先垂範。「人にやれと言うからには、自分がやらないと誰もついてこない」。誰よりも大きな声を出し、厳しい稽古で背中を見せる。その原動力はずっと一緒にやってきた教え子たちの存在だ。受験などで辞める子も多い中、忙しい合間を縫って地道に努力を続けてきた彼らの成長が、自身のモチベーションであり一番の喜びとなっている。
○…「選手として出るのは今回が集大成」。自身の体力的な限界もあり、今後は監督としての役割に重きを置く。「次は世界王者の息子と彼らを組ませて、監督として世界一に導きたい」。厳しい練習を共に乗り越えてきた愛弟子たちに夢を託し、次なる目標へと視線を向けた。
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