伴奏バンド「ひものがかり」の代表として公演50回を迎えた 松岡 貴美子さん 神大寺在住
高齢者にワクワク感を
○…「歩いて外に出られない高齢入所者に音楽を届け、非日常を感じてもらいたい」。友人ら5人で2年前にバンドを結成、地元・神大寺の地域サロンのオープンをきっかけにデビューした。バンド名にちなみ、ハコフグ帽がトレードマークとなっている。ボランティア協会に加入するとたちまち依頼が舞い込み、あっという間に公演50回目の節目を迎えた。施設との連絡やスケジュール調整、プログラム構成などを一手に担う。演奏を聞いてもらうのではなく、一緒に歌ってもらいたい。これが「伴奏バンド」と名乗る理由だ。
○…九州で生まれ育った。幼少期から洋楽に親しむ一方、母親の口ずさむ歌謡曲が音楽の土台を築いた。青春時代はビートルズに熱中。転勤族の一人っ子で、自然とラジオに耳を傾けることが多かった。「当時聞いていた落語は、バンドの司会進行にも活かされている。趣味が高じて、横浜にぎわい座のカウントダウン寄席に毎年通っている」と笑う。
○…弟子入りしてグラフィックデザインを学んだ後、設計事務所で建築士2級を取得。「若いうちに職人気質の大工さんと交渉してきた経験が財産になっている」と振り返る。高校生の進路指導に携わって人との関わりに目覚めた。今年3月まで福祉関係の仕事に従事。民生・児童委員になったのは4年前だ。年長者には敬語で接することを心がけている。「近頃は敬老の精神が欠けている」と苦言を呈す一面も。
○…バンド仲間でもある夫と愛猫と暮らす。「愚直に」がモットー。「器用じゃないのでコツコツやるしかないのよ」と自己研鑽に励む日々だ。近い将来に向け、新たなチャレンジを進行中。「若い人の手助けになるような仕事を手がけていきたい」と抱負を述べた。
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