神大寺地区センターの2階ロビーに、絵画と見まがうほど精巧な切り絵の数々が展示されている。同センターを拠点に活動する「切り絵会」の会員が、自宅やセンターのサークル活動でコツコツと仕上げた力作だ。
切り絵はタントと呼ばれる黒い紙に図案を重ね、工作用のアートナイフなどで絵を切り出していく芸術作品。後ろから色紙や和紙を貼ることで、鮮やかな色合いを添えることもできる。
同会では講師を務める若月清彦さん(79・白楽)の指導で、8人ほどが趣味の切り絵に励んでいる。若月さんは木彫仲間の家に飾られていた切り絵を見て興味を持ったといい、同センターで行われた切り絵のワークショップに参加。10年前に愛好会として始まった同会に所属し、5年ほど会長を務めている。
図案は切り絵の展示会などで鑑賞した作品やインターネットで見つけた画像を参考にするほか、自身で撮影した写真を基にマジックで下絵を描くことも。「切り絵は途中で切れてしまったら失敗。下絵の段階から完成をイメージして制作すると数か月かかることもあるが、できた時の達成感が醍醐味」と若月さんは語る。
切り絵歴8年ほどの鈴木克己さん(73・三枚町)は「色の濃淡を付けるのが面白い」といい、日本画をモチーフにした作品では封筒に印刷されたロゴで着物の柄を表現するなど、アイデアも多彩だ。井上弘子さん(75・片倉)は、アニメのキャラクターや動物などをモチーフにしたかわいらしい作風。「細かなところを切るのは難しくて」と話すが、その年の干支を切り出した作品を友人に配ったところ好評で、毎年の楽しみになったという。
コロナ禍で展示会などの機会は減ったが、それぞれが自宅で仕上げた作品を持ち寄って批評したり、茶飲み話をしたりして過ごす時間は何よりの生きがい。「紙とナイフ1本あれば誰でも始められ、指先を使うので健康にもいい」と若月さんは話している。
入会は随時受け付けている。問い合わせは神大寺地区センター【電話】045・491・4441。
■サークルや趣味の活動を紹介します。個人・団体は問いません。神奈川区編集室【電話】045・227・5050。
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