ブラジルに設立した保育園を支えるNPO「光の子どもたちの会」の代表を務める 鈴木 真由美さん 港北区在住
教育の熱意、国境を越えて
○…保育科の学生だった19歳の時、「世界の子どもたちを知りたい」とブラジルで実習を経験。そこで目にしたのは、衛生面や設備が整っているとはいえない環境下でも笑顔を絶やさない子どもたちの姿だった。「この国で保育士になりたい」。日本で2年間の勤務を経て、22歳でサンパウロの園で1年間働いた。
○…ブラジルの田舎では幼児教育が未確立で、不安を抱える母親たちの苦悩を目の当たりにすることも多かったという。2000年、北東部の貧しい漁村に村人と協力して保育園を設立。「未熟な私に、国内外の人が協力してくれたおかげ」と晴れて12人の1期生を迎え入れた。「園の運営に自信を失った時もありましたが、子どもたちの未来の選択肢を増やす手助けができたかな」。保育園の運営を支えるため、幼児教育を基盤に教育活動を行うNPO「光の子どもたちの会」=松本町=を運営する。
○…10歳下の弟の世話が好きだったこともあり、志した保育士の道。中学では吹奏楽部に所属しトランペットを担当。「音楽は保育でも助けになった」と、国内で集めたリコーダーは現地の子どもに人気という。ブラジル人の夫と娘2人の4人家族。以前は1年の大半を南国で過ごしたが、新型コロナウイルスの影響もあり昨春から母娘は日本へ。「1カ月以上日本で暮らすのは20年ぶり。やっぱり四季があるのはいい」と、母国の魅力をかみしめる。
○…「若者が都会に流出すると、地方の活性化にはつながらない」と、働き口など若者が活躍できる環境づくりに奮闘するなど行政にも関わる。「村に元気を与えられるように、ここからが新たなスタートです」。日本の裏側で築いた教育支援の輪を広げていく。
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