靴職人として横浜マイスターに選定された 村上 塁さん 三ツ沢下町在住 39歳
靴修理で思い出修復
○…松本町の「ハドソン靴店」2代目店主。他店では対応できない靴修理の依頼が全国から集まり、年に1200足以上を手掛けている。その技術の高さが評価され、横浜マイスターに。「靴の修理は替えが効かない思い出の修復のような作業。資格が必要ない仕事なので職人も多いけど、この業界で生き残るのも大変。マイスターとなったことで信頼して任せてもらるようになれば嬉しい」
○…靴職人の道へ歩み始めたのは24歳頃。工学系の大学に通い、F1やロケット、新幹線などの部品づくりを学んだが、「全体の中の一部に携わる形より、全て自分で完結するものづくりがしたい」と中退。そんな時ふとオーダーメイドの靴職人をテレビで見て、興味を持ち調べ始めた。その背中を押すように「いざその世界に入ってみないと分からないぞ」との父の言葉で専門学校への進学を決めた。在学中には先代の佐藤正利さん、その後は関信義さんなどに師事し、業界最高峰の技術を吸収してきた。
○…学生時代は競泳に打ち込んでいたというが、高校で全国レベルを知り、競技からは身を引いた。今年の五輪での日本勢の活躍は目にしていないという。「観戦する時間があれば、その分自分が応援されるように努力しようとと思うんです。色んな人に支えられてきたこの店を残していくため、知恵を絞らないと」と先を見据える。
○…靴の聖地として知られるのは浅草だが、実は横浜の方が歴史が古く、革製品の問屋、メーカー、修理屋が多く立ち並んでいた地だったという。一時は衰退も最近は横浜で独立する靴職人も多くなった。「協力しあって業界を盛り上げていきたい。ゆくゆくは浅草に次ぐ”靴のまち”になればいいですね」
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