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神奈川区 人物風土記

公開日:2022.02.17

スチールパン奏者として活動する
新崎 比奈子さん
区内出身 24歳

癒しの音色で笑顔届ける

 ○…ドラム缶から作られた打楽器「スチールパン」の演奏グループ「PAN NOTE MAGIC」の一員やソリストとして、コンサートや学校の芸術鑑賞会などで独特の柔らかな響きを全国に届けている。南米カリブ海に浮かぶトリニダード・トバゴ共和国の民族楽器として知られ、「世界で最も人の心を癒す楽器ともいわれますが、当時の植民地下で人々の心の拠り所として誕生したという歴史的な背景も含めた魅力を知ってもらえたら」

 ○…母の影響で5歳からピアノを始め、学生時代は合唱コンクールの伴奏などを務めた。中学校では吹奏楽部に入り、打楽器をメーンに演奏。高校生の頃、卒業後の進路として幼稚園教諭と音楽の道という岐路に立つが、「好きなことで人を笑顔にできるのは音楽だ」と音大へ進学し、在学中に「一番好きな音色だった」というスチールパンに出会った。

 ○…中学2年生だった2011年、神奈川公会堂で予定していた吹奏楽部の演奏会が東日本大震災の発生で延期になった。「世間が大変なときに開催すべきなのか」という葛藤もあったが、2カ月後の演奏時には足を運んだ地域住民から温かい声援を受けた。コロナ禍で県外へ演奏に赴いた際は、来場者アンケートにつづられたメッセージの数々に励まされたという。「楽器を叩けることが当たり前じゃないときも、聴いてくれる人がいる。その感謝は忘れません」

 ○…夢は世界各国の奏者が集まるトリニダード・トバゴ共和国のカーニバルで演奏すること。「聴けば誰でも笑顔になれる音色を、多くの人に届けたい」。学生時代にほれ込んだトロピカルな音色を、音楽療法の場で活用できないかとアイデアもめぐらせている。

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