横浜創英高校出身の小坂美遥さん(26)がアメリカ・プロバスケットボールリーグNBAに所属するチームの専属ダンサーを目指し、渡米の準備を進めている。チアリーダーとして活躍しながら、力を発揮する機会をコロナ禍により失った大学時代。卒業から4年が経過した今夏、悔しさをばねにダンサーとして最高峰の舞台に挑む。
NBAチームの専属ダンサーはハーフタイムなどにパフォーマンスを披露し会場を盛り上げる役割を担い、チアリーダー最高峰の舞台の1つとされる。町田市出身の小坂さんは6歳からチアダンスを始め、小中学校時代は町田市内のクラブチームで活動していた。
「全てを捧げた」高校時代
横浜創英高校ではバトン部BRIGHTS(ブライツ)に入部し、国内や世界大会で優勝を経験した。当時を振り返り、「『とにかく一番になりたい!』と毎日ひたすら練習して高校生活の全てを捧げていた。同期とは定期的に会っていて今はそれぞれの道に進んでいますが、今も変わらず背中を押し合える大切な仲間」と語る。
大学では強豪チームに所属し、チームをまとめる主将も務めた小坂さんは「これまでダンス一筋できた。仲間と目標に向かってがんばっていくところに惹かれている。パフォーマンスを通じ、みんなを喜ばせたいと思う」と笑顔をみせる。
昨年、決意
NBAの舞台を目指すことを決意したのはダンサーとして活動し、子どもたちへの指導にあたっていた昨年。コロナの感染拡大によって最終学年時にパフォーマンスを披露する場を失われてしまい、失意のまま大学を卒業して3年が経過していた時だった。次の目標が定まらないなか、大学同期がNBAダンサーとなり、夢の舞台で活躍していることを聞いたことがきっかけになった。
「元々興味をもっていたNBAの舞台。同期から刺激を受けた。大学を卒業し、何かに打ち込めるものがあることの大切さを実感する毎日を過ごしてきたが、また挑戦したいと思った。自信はあります」と小坂さんは力を込める。そして現在は今夏に行われる各チームのオーディションに関する情報を集めながら、レッスンを重ねる毎日を送っているという。
恩返しも
今夏に渡米し、各チームのオーディションに参加していく。「合格すれば、10月の開幕に向けて他のメンバーと共に練習を積んでいくことになると思う」と意気込む一方で、「ダンスを通じて両親に恩返ししたいとも思っている。がんばりたい」。皆にエネルギーを与えられる存在を目指し、一歩を踏み出す。