神奈川区 社会
公開日:2025.08.21
タウン記者の「ちょっと気になる」
神奈川公園で進む「豪雨対策」
幸ケ谷小学校の向かいにある神奈川公園。その一角が数年前から建物のような巨大な囲いに覆われている。一体何の工事なのか、横浜市に聞いてみた。
深さ64mの大穴
下水道河川局の担当者によると、囲いの中にあるのはトンネルの掘削に使われる「シールドマシン」を地下深くに入れるための内径13mの大穴。その深さは約64mにも及ぶ。そしてこのシールドで掘られるのが「雨水幹線」だ。
横浜駅周辺の浸水防ぐ
雨水幹線とは、雨水を河川や海へ排水するために整備された大型の排水路のこと。今回の工事は、横浜駅周辺の浸水対策として雨水幹線を新設する事業となる。
整備されるのは神奈川公園から横浜駅の南側を経由し、西区の岡野公園につながる内径3・75m、全長約4・9Km。横浜駅周辺にあるポンプ場(平沼、桜木)をつなぎ、従来のポンプ場が帷子川や石崎川へ排水しきれなかった雨水の流入先として機能する。同幹線に流れた雨水は、星野町に今後新設される東高島ポンプ場から河口へと放出される。
この整備により、10年に一度の大雨(1時間あたり60mm)に対応した従来の体制から、30年に一度(1時間あたり82mm)に備えたものへと治水能力が強化される。また、老朽化した従来のポンプ場の整備に伴う代替機能も想定されている。
神奈川公園での工事は2023年から始まり、今年9月には同公園からシールド掘進が始まる予定。2026年度中には岡野公園への到達を予定している。立坑周りの建物のような囲みは、掘進に伴う防音壁の役割を果たしている。並行して横浜駅周辺の道路上に埋設されている下水道管の増強工事も今年度から本格的に着手される。
21年前の台風が契機
この計画の背景にあるのが、2004年10月に横浜市内に大きな被害をもたらした台風22号。横浜駅西口周辺で多くの地下施設が浸水し、一部の地下店舗では浸水が天井に達するなどした。
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