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神奈川区 経済

公開日:2025.12.25

「地域に愛される施設に」
「HAZAAR」運営に聞く

  • インタビューに応じた(左から)鈴木氏、田嶋氏

 本紙では、羽沢横浜国大駅前にある複合商業施設「HAZAAR(ハザール)」を運営する、寺田倉庫(株)の田嶋拓也執行役員と現場責任者の鈴木辰徳氏へのインタビューを行った。今年10月に開業から1周年を迎え、現状の振り返りや今後への想いを聞いた(以下、敬称略)。

*  *  *

「倉庫」から「生活拠点」へ

 ――改めて、施設のコンセプトをお聞かせください。

 田嶋 もともと我々は倉庫会社として、昭和40年代頃からこの地に拠点を構えていました。今回の開業にあたっては、地域の皆様の生活の利便性に貢献できる施設にしたいという考えがありました。普段使いしていただけるお店のラインナップを揃え、生活の拠点にしてもらえるような存在になればと思っています。

 ――会社としても商業施設の運営は初めてということですが、開業から1年が経ち、手応えはいかがですか。

 田嶋 テナントが順次オープンしていく形式でしたので、本格的な稼働は今年2月のスーパーマーケット「ロピア」の開業からでした。

 鈴木 ロピア開業時は、開店待ちの列や周辺道路の渋滞が発生するほどの反響があり、皆様がいかに心待ちにされていたかを痛感しました。「スーパーができて生活が変わった」「ありがとう」という感謝のお声を多く頂き、ようやく施設としてスタートラインに立てたと感じています。学生や通勤客の往来も定着し、駅前らしい風景が生まれてきたと感じています。

 田嶋 来館者数についても、当初の想定通り推移しており、近隣に住まわれている方を中心にご利用頂いているという印象です。

テナントはほぼ入居完了

 ――テナント構成や利用状況について教えてください。

 鈴木 食品スーパーはもちろんですが、これまで地域に少なかった内科や歯科、薬局などが揃い、近隣で一通りの診療が受けられる体制ができたことも好評を頂いています。また、カフェ「花Lab.Nocturne」のように、ゆっくり滞在してお喋りを楽しめる店舗もあり、これまで地域になかった「集まれる場」を提供できているかと思います。

 田嶋 12月には美容室がオープンし、これでほぼ全ての区画が埋まり、計画していた生活利便機能が整います。

 ――課題と改善点はありますか。

 鈴木 想定以上の自転車・バイク利用があり、駐輪場が溢れてしまう時期がありました。現在は対策を講じて改善していますが、引き続き収容スペースの拡充などを検討していきます。また、9月からは横浜国立大学の学生の皆さんにもより使っていただきたいと、キャンペーン企画も始めました。

 ――2年目の新たな取り組みについて教えてください。

 鈴木 先日、スーパー営業時間外の朝の通勤時間や夜の帰宅時に合わせ、駅の改札前でテナントさんのパンやおにぎりを販売するトライアルを実施しました。施設とは反対方向にお住まいの方々にアプローチしたところ、予想以上の反響がありました。西谷や上星川など、沿線の駅でも施設の存在を知ってもらうきっかけとして実施できたらと考えています。

魅力ある場所へ

 ――今後の抱負、地域へのメッセージをお願いします。

 田嶋 まずはしっかりと「普段使い」頂けることが一番大事だと思います。施設に愛着を感じていただけるよう、羽沢の野菜直売など、地域色豊かな企画も強化していきたいです。

 鈴木 アクセス面の課題はありますが、イベントやキャンペーンを通じて「あえて行きたい」と思ってもらえる魅力も創出していきたいです。行政や大学、そして地域の皆様と連携しながら、地域への貢献というのも一つの軸にしていけたらと考えています。

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