生田緑地内に25軒の古民家を構える日本民家園が今月、開園50周年を迎えた。音声ガイドなどの新たなサービスや、節目を祝う伝統芸能の公演など、さまざまな記念行事が1年かけて開催される予定だ。
日本民家園は、市民共通の「ふるさと」として昔の生活文化を後世に伝えようと、囲炉裏の火焚きや藍染め教室など年間150回以上の催しを開催している。
今月から新たに、スマートフォンで無料の専用アプリを使う音声ガイドを導入。古民家の間取り図や古い写真などを観ながら解説を聞くことができ、園内地図やイベント情報も確認できる。さらにこのアプリは日英韓中の4カ国語にも対応。近年増加する外国人入園者向けに、タイ語やベトナム語を新たに加えた外国語リーフレットも充実を図る。
同園は当時県議会議員だった斎藤文夫さん(現・川崎市観光協会会長)が、麻生区にあった国指定重要文化財の伊藤家住宅を保存しようとした活動がきっかけとなり、1967年4月1日に開園した。多摩区内にあった清宮家と富山県にあった野原家を移築し3軒で開園した後も、岩手県から鹿児島県までの全国各地から建造物を移築。現在は国指定重要文化財7件、国指定有形民俗文化財1件を含む25件の文化財建造物が一堂に会する野外博物館となっている。2014年11月には累計入園者が600万人を超えた。日本のさまざまな情報を扱うフランスのガイドブック「ブルーガイドジャポン(2015年発行)」では、3つ星の高評価を獲得しているという。
同園の小林正人園長は「ボランティアさんの協力で、魅力が伝わる工夫も多い。今後も文化財を良好な状態で伝えるため、今年を将来の民家園を考える節目の年にしたい」と話す。
あす29日、伝統芸能公演
29日、午後1時からは旧船越の舞台で記念公演「祝」を上演する。市内の伝統芸能である菅獅子舞や新城囃子曲持、木遣り唄を披露。また、同日から特別展「日本民家園『今昔』ものがたり」を開催。開園当時のパンフレットや初公開となる資料などを展示する。
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