宮前区内でサギヌマスイミングクラブを運営する(株)エスアンドエフ(小倉謙代表取締役社長)が2月26日、ベトナムで現地企業と業務提携を結んだ。水難事故を防ごうと、昨年8月に現地法人を立ち上げた同社。協定にはプールの貸与が盛り込まれ、ベトナムでの水泳指導に拍車がかかることが期待される。
「水難事故で命を落とす人を減らしたい」との思いから、同社は2019年8月に現地法人エスアンドエフ ベトナムを設立。このほどハノイで水泳用プールを管理運営するタンロンプールと共同事業契約を締結した。これまでの活動は学校の授業サポートや、ホテルのプールを間借りしての個人レッスンにとどまっていたが、協定の締結によりプールを貸し切り、自社カリキュラムでレッスンを進めることができるようになった。
地道な努力実る
現地でスイミングクラブを5月1日に開校することが決まった。現地スタッフを雇用し、クラス分けしてステップアップしながら泳ぎを上達させる日本式のサービスを、ベトナムの「エネルギッシュで結果主義」な風土に合わせて提供、指導していく。同社スタッフは「夏までには自社プールを持ち、軌道に乗せてベトナム国内展開していきたい」と抱負を述べる。
同社によると、ベトナムでは溺水で命を落とす子どもの数が年間約2500人と日本の25倍にのぼるという。ベトナムは日本ほど水が豊かでなく、プールの数も少ない。現地法人の代表取締役社長とコーチを兼任する鮎澤貴孝さんが、2年ほど前からプールを探し地道に交渉をし続け、念願の協定締結に至った。
17年前の入社試験時の作文に「いつか途上国の子どもに水泳を教えたい」と書いていた鮎澤さん。「現地の仲間に恵まれ、やっとスタートできる。ベトナム全土でスイミングレッスンが受けられる環境を作っていきたい」と話している。
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