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二ヶ領用水 国文化財に正式登録 川崎市 案内板新設へ補助金申請

社会

掲載号:2020年3月20日号

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桜が開花し始めた流域=17日
桜が開花し始めた流域=17日

 川崎市を流れる二ヶ領用水が3月10日、遺跡関係の文化財として国登録記念物に正式決定。流域に案内板を新設しようと、市教育委員会は文化庁への補助金申請を進める。市は関連団体と連携し、市民に一層親しまれる観光資源として広報と活用に力を入れていく。

 市が所有する二ヶ領用水は、多摩区から川崎区に広がる多摩川右岸低地部を流れる用水。文化財登録範囲は合計約9キロの流域で、市内では禅寺丸柿に続き2件目、遺跡関係では初。用水関係では立梅用水(三重県)に次ぐ全国2件目の国登録記念物となる。

 文化財対象の形を変えることを厳しく規制する「指定」に対し、活用に重点を置く「登録」制度では届け出れば改修も可能。広報費用の一部は補助金交付対象になる。市教委は流域の複数箇所に案内板新設を検討中で、「活用事業を進める所管の建設緑政局と協議し、活動団体の意見を聞きながら周知に有効な場所を選定する」と表明。2020年度中の設置を目指す。

 これまで市は、宿河原堤桜保存会やNPO法人多摩川エコミュージアムなど流域で活動する13団体との意見交換を進めてきた。「桜の管理や周辺の清掃を担う地元団体から課題を聞き、市民と一体で担うべき役割を考えたい」と市建設緑政局。「この機会に、身近で大切な財産として定着を図る」としている。流域の桜関連イベントを通じた情報発信を見込んでいたが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で相次いで開催中止に。同局は今後の周知方法を検討するほか、用水竣工400年を記念して作られた散策路のガイドマップ更新も視野に入れる。

 二ヶ領用水は江戸時代の1611年に完成した多摩川最古級の農業用水の一つ。農業・工業用水として使われ、時代の変遷とともに桜や桃の植樹など市民活動も盛んに行われてきた。市によると、今回の登録はこうした変化の歴史も評価材料になったという。市観光協会の斎藤文夫会長は「南北一体で、後世に伝えていけるようなイベントを秋口あたりに開催したい」と展望を示した。
 

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