各種歯科健診などの取り組みを進める 松山 知明さん 川崎市歯科医師会会長 62歳
「おせっかい」で健康守る
○…市内500以上の歯科医院が加盟する組織力を生かし、市民の健康を守ろうと会長に立候補。就任から半年、歯の発育状態を確認する乳幼児健診や学校健診、高齢者実態調査の結果などを踏まえた分析も進めてきた。「人材や採算の面から医院単独では限界がある取り組みも、連携すればできることは多い」。年間約4千人に実施している高齢者や障害者への訪問診療を拡大させることもテーマの一つだ。
○…幼い頃から医学に興味を持ち、26歳にして歯科医院を開業。患者と接する中で心掛けているのは「親切よりもおせっかい」。「親切は誰にでもすること。おせっかいはその人だけにすること」。患者の声に熱心に耳を傾け、生活や人生を垣間見、診療する上で参考にしている。「医療の知識をただ一方通行で伝えることはしたくない」
○…長男は医学部、歯科衛生士の長女は父の診療を手伝う時も。同じ道に進んだ我が子に、「職業人としての会話ができるのはうれしいね」と目を細める。趣味は、カラオケ好きが高じて40代から始めたジャズボーカル。毎年都内でライブを行い、「自分を表現できるのが楽しい。ステージに立つと観客の反応がダイレクトに分かるのは少し怖いけどね」。日本語の深みを学ぼうと、元NHKアナが講師を務める教室にも通う。「言葉の持つ力は大きい」と、仕事や人生の糧にする。
○…超高齢化社会は歯科業界にも影響をもたらす。「昔は70歳まで歯を維持できれば十分だったけど今は100歳。費用負担を考えても、予防に勝る治療はない」と力を込める。市民へ周知するためのアイデアも練る。「学習塾やプロスポーツチームと連携することも、市民の意識向上につながるのでは」。市民の健康を願ってやまない。
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3月22日