宮前区 人物風土記
公開日:2022.03.04
酒折連歌賞で最高賞となる文部科学大臣賞を受賞した
藤井 麻里さん
犬蔵在住 39歳
空想遊びが至高の一句に
○…コロナ禍で外出が少なくなったことを機に、「ことばに磨きを」と始めた俳句や短歌、川柳の公募。『酒折連歌』は初の挑戦だったが、公募ガイドに掲載されていた広告を見て「面白そう」と送った歌が、大賞に輝いた。伊藤園『お〜いお茶新俳句大賞』では佳作を受賞したこともあるが、初の最高賞に驚きを隠さない。「感無量。受賞を励みに自分の世界を広げて日々精進したい」と先を見据える。
○…「公募を見つけたら手あたり次第、結果を考えずに応募する」とフットワークは軽い。しかし歌一句一句はしっかりと考えられており、歌がびっしりと書かれた「ネタ帳」は2冊目になった。「空いた時間にぼーっと考える」というアイデア。「小さい頃から夢見がちだったので空想を広げている」と恥ずかしそうに秘訣を教えてくれた。
○…習字が好きな祖母の書いた和歌がいつも身近にあり、母を含めた3世代で、百人一首が好きだった。中学時代は演劇部で、徹夜をしながら脚本を書き上げたことも。大学ではフランス文学を専攻した。大学時代の先輩と結婚し、犬蔵に根を下ろし愛娘が一人。「空想遊びが好きみたいで、血のつながりを感じずにはいられない」
○…大好きだった祖母が認知症のため施設に入所。それでも不思議と、百人一首の上の句を読むと、つらつらと下の句を答えたという。昨年11月に他界してしまい大賞受賞の報告はできなかったが、「きっと天国で喜んでくれている」と遠くを見つめて微笑む。もうすぐ届く賞状を手に墓参りするつもりだ。晩年、足の悪かった祖母の車いすを母と押しながら、3人が好きだった歌をそらんじた光景が忘れられない。「花の色は 移りにけりな いたづらに-」
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