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宮前区 経済

公開日:2023.09.29

JFEスチール
シンボル「高炉」が休止
跡地は脱炭素の拠点へ

  • 16日に休止された第2高炉

 川崎区扇島のJFEスチール東日本製鉄所(京浜地区)が9月16日、第2高炉を休止した。報道関係者に現場公開された7日、古米孝行所長は「100年以上にわたって灯し続けた火が消えてしまうのは残念でやりきれない思いがある」と複雑な心境をのぞかせ、「新しい都市型の製鉄所を目指し前を向きたい」と語った。

 同社が高炉休止後に目指す扇島地区の土地利用構想「OHGISHIMA2050」も発表。222haの土地に、先導エリアと共創エリアを設置。先導エリアでは水素等の次世代エネルギ―供給拠点づくりが進められ、共創エリアでは次世代モビリティや高速情報基盤など最先端のインフラを整備し、デジタル分野をけん引する産業や商業、文化・生活などの機能を誘致する。2050年までに整備を目指すという。

 福田紀彦川崎市長は「カーボンニュートラルと新たな産業創出の同時実現を目指す。市民が身近に、誇りを持てる土地利用転換を推進する」とコメントした。

京浜工業地帯の一翼 

 JFEスチールは、1912(明治45)年に南渡田地区で日本鋼管川崎製鉄所として創業。以降100年以上にわたり京浜工業地帯の発展の一翼を担ってきた。現在の扇島には76年に製鉄所が完成し、第1高炉に火入れ。第2高炉は79年に稼働し、90年に一旦休止するも、04年に生産再開。国内外の需要減少を受け、20年に国内生産性の最適化を目的に構造改革を発表し、製鉄所のシンボルともいえる高炉の休止を決めた。生産した銑鉄の不純物を取り除き鋼にする転炉、鋼を片に加工する連続鋳造設備なども休止し、解体される。

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