八王子 社会
公開日:2026.06.18
初夏彩るアジサイが満開 湧水潤う蛙合戦の旧地
梅雨に入り、雨模様が続くなか、散田町の古刹・真覚寺では初夏の訪れを告げるアジサイが見頃を迎えている。かつて万を数えるほどのヒキガエルが集まったとされる「蛙合戦の旧地」として市の史跡に指定されている境内が鮮やかな青や紫、ピンクの花々に彩られている--。
境内にある心字池の周りを取り囲むように咲くアジサイたち。同寺によると、境内には通年で墓参りなどに訪れる人が絶えないが、今の時季はアジサイを目当てに散策を楽しむ人の姿も見られるという。住職は「駐車場はあるので、池の周りは自由に見て回ってもらえれば」と呼びかけている。
小比企丘陵からの湧水
同寺にある八王子市の案内板によると、心字池は、小比企丘陵の北側斜面からしみ出す豊かな湧水によって潤っている。この池は江戸時代から広く知られる名所で、冬眠から覚めたヒキガエルが繁殖のために集まり、無数の雄同士が激しく争う様子は「蛙合戦」として有名だったという。
同寺は、安政年間(1854〜60年)の「五街道細見」において「芭蕉の蛙塚があり甲州街道の名所」と記録されるなど、古くから多くの旅人に親しまれてきた歴史を持つ。その象徴として、境内には1745(延享2)年建立の「芭蕉蛙塚の碑」が鎮座している。
市天然記念物から指定旧跡へ
歴史あるカエルの繁殖地として、1962(昭和37)年には「蛙の生態および繁殖地」として市の天然記念物に指定。しかし、1965(昭和40)年代頃からの宅地開発に伴いカエルの数は減少。蛙合戦の様子は見られなくなった。そこで、2004(平成16)年に現在の「市指定旧跡(真覚寺蛙合戦の旧地)」へと種別を改めた。こうした背景を経て、現在は色鮮やかなアジサイが池畔を静かに彩り、かつてのにぎわいを今に伝えている。
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