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公開日:2023.11.03
吃音当事者 思い奏でる
宮崎中出身高校生が企画
吃音のある市内高校生が発起人のイベントが11月5日(日)、川崎市総合自治会館(中原区)で開催される。同じ悩みを抱える者同士、音楽を通して自己表現することで、吃音を社会に広めることをねらう。
イベントは「コンアニマ〜吃音を持つ学生による音楽団」と題し、吃音の当事者たちがバンド演奏を披露。昨年市内で開催された、吃音のある学生が接客する「注文に時間がかかるカフェ」を題材にした映画上映と出演者によるトークショーも行われる(申込終了)。
発起人は、宮崎中学校出身の喜多龍之祐さん(17)。喜多さんは小3で吃音を発症し、「言葉がスラスラと出てこないことへの気持ち」を抱え症状と向き合ってきた。
音楽が表現手段
昨年夏、「注カフェ」に参加した喜多さん。初めての接客業だったが「話すことに対する抵抗なくできた」と振り返る。同時に、吃音がありながら、歌やラップ、写真など言葉以外で表現活動をしている人たちがいることを知った。
喜多さんは幼い頃から音楽教室に通い、現在は吹奏楽部と軽音楽部に所属。「これまで自分は音楽で思いを表現してきた。吃音があっても自分を出せることや、吃音を社会に広げる活動ができれば」とイベントを企画した。今春、(公財)川崎市文化財団のパラアート推進公募型委託事業に企画書を提出。仲間を集め、実現にこぎつけた。
胸中明かし自信に
周囲からの言動に傷ついたこともあった。中学時代は生徒会活動に励む中、大勢の生徒を前に発言した際「どもってしまうと、笑い声が起こったり、話し方をマネされたりされた」という。しかし、担任からの助言もあり、生徒会会長に立候補するスピーチで全校生徒の前で吃音があることを明かした。「話し始めると冷やかしがなくなり、しっかりと自分の言葉を聞いてくれた。そのことが自信になった」と喜多さん。これまでは隠そうとしていたが、人に対する思いや気持ちを伝えることへの考えが変わるきっかけになった。
イベント名の「コンアニマ」は「生き生きと、心をこめて」を意味する音楽用語に由来。バンド演奏では喜多さんらで制作したオリジナル曲を初公開する。「無理にがんばったりせず、今の自分を受け入れるのが大事、という思いを歌詞に込めた。同じ10代など自分のことで悩む人に伝われば」と笑顔を見せる。
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