東橘中学校(前島和樹校長)で20日、北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの父・横田滋さんと母・早紀江さんを招いた講演会が行われ、同校生徒ら800人が参加した。横田夫妻は拉致問題について語り「親と一緒に生活できること、友達と勉強できることは幸せなことだと感じてほしい」と生徒に訴えた。
これは橘地区社会福祉協議会(森昭司会長)が毎年主催する「中学生と福祉を語る会」の一環。今年は「親と子のつながり」をテーマに横田夫妻に講演を依頼した。めぐみさんの娘キム・ウンギョンさんとモンゴルで面会後初の講演となった。
当日は、めぐみさんが13歳の時、部活を終えた帰り道に行方不明になったことや拉致発覚の経緯などが語られた。早紀江さんは「平和な暮らしの中でなぜこんなことに」と当時の心境について語り、「人の命は誰もが大切でお父さんやお母さんに守られている。二度とこのような事件が起こらないよう解決しなければならない」と力を込めた。
生徒が「めぐみさんが帰った時、何をしてあげたいか」と質問。滋さんは「北海道の牧場に寝っころがせて『自由だ』と実感させたい」と答えた。滋さんは最後に「家族や友達と一緒に生活できることは平和で幸せなこと」と締めくくった。
孫との初対面「不思議な縁」
また、講演ではめぐみさんの娘キム・ウンギョンさんに対面したことに触れ「(存在を知った時)15歳だった子が26歳になり、10カ月の元気な赤ちゃんを連れてモンゴルで会うというのは、不思議な縁を感じた」と語った。
同校の女子生徒(1年)は「今の日本では考えられない話だけど、実際に体験した話は現実味があった。親は子どものことを考えていると感じた」と感想を話し、森会長は「生徒に家族の大切さなどを少しでも感じてもらえれば」と話した。
高津区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>