高津物語 連載第九一五回 「諏訪河原」
「諏訪河原」小黒恵子
「けやき立つ
多摩のほとりの
諏訪河原
みどりの伝言(ことずて)
未来(あす)に
つたえて」
東京と神奈川の
握手するところ
多摩川
そのほとりの
諏訪河原に
生まれて
育って
半世紀余り
当然のこと乍ら
両岸の景色が一変した
いちめんの
桃の花と
菜の花が
絵画のように美しい
静かな村だった
緑いっぱいの
自然のなかで
私は草花と
昆虫と
動物に囲まれて
育った
その頃から何故か
同じような大きさに
見える我が家の欅(けやき)
戦中戦後の大変な
物資欠乏の折
残念にも
欅の大木を何本か
切って了(しま)った
こうして今残る欅は
実にながい歴史を刻んで
大地にどっかりと
ふんばっている
一〇本の欅と
その他四本が
「川崎市保存樹」の
プレートをかかげて
立っている
緑の季節には
大きな喜びを
落葉の季節には
過激な労働を与える
私の友達、けやき
私の生命(いのち)は
やがて尽きても
緑の美しさと
生命の尊さを
未来の人に
伝えて欲しい
私が尊敬し
愛してやまない
大きな欅たちよ
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