連載第一〇七八回「新春雑感」 高津物語
八十二回目の新年を病院で迎えることになろうとは、夢にも思わなかった。妻が体調の激変で緊急入院となり、私は妻の体を摩り続ける役回りの人足となった。家で一日中、安静にして寝ていればいいのだが、病院の方が温かいし安心できるので、ついつい病院に足が向いてしまうのだ。妻は私の父親・母親・私の兄・私の妹の亭主と四人の看護をして、最期を看取ってくれた。だが、自分の看護は自分がした以上のものを残念ながら受けることができなかったのだ。可哀想だし申し訳ないが妻がした以上の看護は他の人には真似のできない看護だった。人の運命は本当に分からない。昨日元気に過ごしても、明日の様子は皆目わからないと、同じである。研究会でご一緒した十歳も若い男性の訃報が入ってきた。お気の毒だが、他人様どころの騒ぎではない。遠くからご冥福を祈るより仕方ないと思う。それにしても、どうして人は八十を過ぎるところころと死んでしまうのだろうか。小学校のクラスメイトはバタバタと死んでしまって、生きているのは十本の指で数えられるほどだが、元気な連中は生き続けている。その差が何であるか神様に教えてもらいたいと思うが、こればかりは誰も知り得ない事なのだ。今年も多くの方々が私の前から消えてゆくだろう。淋しいけれど、お願いだから「一緒に行こう」等と、私を誘いに来ないでほしい。私には、まだまだ仕上げるべき仕事が山ほどあるのだから。八十代の浜田庄司も「昨日在庵、今日不在、明日他行」と忙しい。
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