本紙記者が大山街道を歩いているとお洒落な雑貨店を発見。店内に入ると真剣な眼差しで絵を描いている男性に目が留まった。男性は記者の存在に気づくと「絵をご覧になりますか」と気さくに声を掛けてくれた。彼は二子在住の画家・黒沢進士さん。黒沢さんはこれまで、かわさき市美術展などで賞を受賞する腕前で高津区文化協会に所属し、地域の活動にも尽力している。
机には高津区にゆかりのある芸術家・岡本太郎をはじめ、川崎フロンターレの選手の似顔絵が並ぶ。ポスカ、サインペン、アクリル絵の具で表現した作品は、個性的な表情をしており記者も自然と笑顔がこぼれた。
地元住民の作品も
画力を向上させるために何か習慣化できることはないかと考えていると、知人から「1日1枚似顔絵を描いてみれば」と助言されて始めた似顔絵創作活動。13年間で描いた総数は400枚以上だという。最近は「高津ならではのものを作りたい」と芸能人のみならず地元住民の作品も描いている黒沢さん。記者が街を回っているとよく見かける店主や会長の顔があり見ていて楽しい。
シンプルな線で顔の特徴を捉え、「似ている、似ていないよりも気持ちが入っていることが大切」と語る。また、昔は似顔絵の余白にその人の名前を書いたが、現在は「見る人の想像力に任せたい」との思いから“KURO”という自身の愛称のみを記しているとのこと。
似顔絵展を開催
黒沢さんは5月7日から6月7日まで、大山街道沿いのハンドメイド雑貨店・May’sDinerで似顔絵展を開催するという。これまで描き上げた芸能人の作品はもちろん、地元住民の似顔絵も展示する。黒沢さんは「地域密着だからこそ皆さんが楽しめる内容になる」と笑顔で話す。
真剣な表情で創作活動に集中する姿はピカソを彷彿させる。これからも黒沢さんの似顔絵が街を元気にするだろう。
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