志高く真摯に市政へ 市政リポート 53 「高齢者外出支援乗車事業」について 川崎市議会議員 さいとう伸志
9月10日に行われた「令和2年第5回川崎市議会定例会」の我が会派の代表質問のうち私は「高齢者外出支援乗車事業」に関する質問を担当しました。その中の一部を報告させて頂きます。
事業費20億円に
本事業は、満70歳以上の方の社会的活動の参加促進や、福祉増進を図ることなどを目的に、市内の路線バスに乗車する際に「高齢者特別乗車証明書」を提示すれば大人料金の半額で乗車可能。また一定の期間中、何回でも乗車できる「高齢者フリーパス」を購入できる制度ですが、事業対象者の増加や、それに伴う事業費増大(今年度は20億円に到達)が財政を圧迫しているという指摘もあります。しかし高齢者の外出支援は今後もしっかりと行うべきという考えに変わりはありません。
実際に他都市では、65歳以上で運転免許証を返納した方を対象に「タクシーの利用補助券」を交付したり、利用できる交通機関を「バス」か「タクシー」で選択できたりと、様々な策が講じられています。そんな中で、川崎市の本事業に対する進捗は決して満足のいくものとはいえません。そこで、本事業の現状を市に問い質すと共に、事業の廃止・代替等を実施している他都市にならい、新たな支援事業導入にむけた検討状況について見解を伺いました。
今後も有益な議論を
また、自動車の運転免許証を返納された方に対しては特典付与などの配慮が必要とも考え、さらにバス以外の交通機関(タクシー等)による補完事業の可能性についても言及しました。
市局担当者はこの問題の重要性を認識しており「事業を廃止した他都市も含めた政令指定都市の状況などを勘案しながら様々な観点から検討を行っている」「立場の異なる専門家などが集まり今年度立ち上げた『あり方検討会議』で協議を重ね、年内に方針を固めたい」などといった答弁がありました。
しかし免許返納者に対しての支援については、免許証を元々持っていない方との不公平感が生じる可能性があるため「返納者のみの支援は難しい」との見解でした。
今後も、この支援事業が高齢者の方々にとって最も有益な事業になるよう引き続き議論を続けてまいります。
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4月26日