市政報告 子宮頸がんワクチンの正しい理解を 自民党 川崎市議会議員 青木のりお
年間約3万人が罹患し、3000人が亡くなる子宮頸がん。原因となるヒトパピロマウイルス(HPV)感染を予防するワクチンについて(一社)予防医療普及協会理事の三輪綾子医師を招き勉強会を実施しました。
AYA世代がん罹患4割が子宮頸がん
15歳から39歳までの思春期・若年成人世代を「AYA世代」と呼びますが、この世代のがん罹患者数の約8割が女性といわれています。
この内、4割を子宮頸がんが占めます。三輪医師は「これから就職や結婚、出産などを控える若い世代のがんだからこそ、特に予防対策が重要となる」としています。
ワクチンで予防可能
子宮頸がんの原因となるHPVの感染はワクチン接種で予防可能です。HPVの感染経路は主に性交渉と考えらており、経験のある女性の8割が1度は感染すると言われています。感染者の1割が持続感染となり5〜10年で子宮頸がんを発症し、自覚症状がないまま「子宮頸がん検診」などで発見されることがほとんどです。感染したHPVを排除するための治療薬はありませんので、感染予防を徹底することが重要となります。日本では現在、国の助成で小学6年生から高校1年生まで無料で接種可能です。助成期間を過ぎた場合も自費で接種できます。
HPVには180種もの型があると言われていますが発がん性が高いのは15種程度。特に20代の子宮頸がん発症者の9割はHPV16型、18型に感染しているとされています。この2つの型の感染を予防するワクチンの有効性は90%を超えるとの研究結果もあります。性交渉後でも別の型のHPV感染や感染拡大予防につながるため、接種する意義は十分にあります。
副反応に不安の声も
ワクチン接種において、副反応を心配する声も多いです。もちろんリスクがないとは言い切れませんが、副反応疑いの症状とワクチンの因果関係はないとされています。三輪医師は「接種するしないの判断は最終的にご自身や親御さんに委ねられますが、ワクチンについてしっかり理解して判断してほしい」と呼び掛けています。
知識を得る機会を
子宮頸がんやHPVワクチンについて、正しい知識を得る機会が少ないことが課題だと考えます。小学校や中学校での教育に取り入れ、理解を深める機会があっても良いのではないでしょうか。12月市議会での自民党代表質問においても、正しい情報提供の実施を提言しました。HPVは中咽頭がんや陰茎がんなど男性でも罹患するがんの原因にもなります。国はこれらを予防する効果も認められるとして、今月4日に男性への接種も承認する方針を決めました。承認後は公費で接種を受けられる「定期接種」に加えるかも議論される見通しです。
今回の勉強会で女性だけでなく男性も自分ごととして捉えることが大切だと改めて実感しました。11月2日には今回の勉強会を踏まえ、私自身もワクチンを接種しました。三輪医師は最後に「川崎市の子どもたちにHPVワクチンについて知る機会を。子宮頸がんで悲しい思いをする人を減らすために」と想いを綴り、勉強会を締めくくりました。
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4月26日