川崎市北部身体障害者福祉会館の催し「北身館フェスティバル」の実行委員長を務める 薄(すすき) 典子さん 下作延在住 69歳
「できた」の喜びを、共に
○…身体障害に関する様々な活動団体が利用する「北身館」。年に一度、同館を知らない人にも各団体の活動などを楽しく見てもらおうと催しを開く。85人が所属する川崎市高津区身体障害者協会の会長として丸5年。「手話や点字など各団体の発表の場でもある。色んな活動があるので見に来てもらえたら」
○…股関節に先天性の障害があり、杖で歩く。幼少期、体育は見学ばかりだったが、娘の習い事に触発され35歳で水泳を始めて以降、様々なスポーツに挑戦。フリスビーのような円盤を飛ばすフライングディスクは幾度も全国大会に。今年は金メダルを獲得した。泳いで城ヶ島1周や、朝から夕まで泳ぎ続ける12時間スイムマラソンの経験も。「出来なかったことができた達成感。仲間と交流しながらレベルが上がっていくのが楽しかった」
○…新潟県の南魚沼市出身。手術のため小学校卒業後に親元を離れ、中学は病院で治療を受けながら学べる学校に。通学距離や積雪の問題でその後も寄宿舎で暮らし高校まで支援学校に通った。障害を超え人付き合いが広がったのは、専業主婦時代に声がかかり市のスポーツ推進委員になってから。地域の大会で司会や受付を担い「外に出て行くようになった」。再び働く契機にもなり仕事の経験も重ねていった。
○…夫との出会いは、高校を卒業し経理を学んだ障害者のための職業訓練校。事故の怪我で首から下に障害がある夫は日頃、車で送迎もしてくれる。「私が外でボランティアできるのは、夫が支えてくれるおかげ」と感謝し、夫婦で卓球も楽しむ今。「白杖や手話など障害により外出方法や意思疎通の方法も違う。催しを通じそれぞれのやり方やサポートの仕方などを知ってもらえたら」
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12月6日