高津区 人物風土記
公開日:2025.11.21
二ヶ領せせらぎ館を運営するNPO法人多摩川エコミュージアムの代表理事を務める
金澤 須美男さん
麻生区在住 72歳
組織を俯瞰し、安定へ導く
○…高津区にもほど近い、国土交通省二ヶ領用水宿河原堰管理所の一画にある二ヶ領せせらぎ館。この管理・運営を担い多摩川の自然や歴史を伝承する多摩川エコミュージアムの代表理事は会員の高齢化が進む中、平日に時間的なゆとりがあるリタイア組の確保に注力するとともに現役世代の増強にも取り組む考え。「法人全体を見渡して事業や人員のバランスを取り、安定した施設運営を行っていきたい」と抱負を語る。
○…周辺の自然を伝えるための常設・企画展示、野鳥や植物の観察ほか、市民や学校への環境学習の提供、特定外来生物(植物)防除活動、河川敷を清掃する多摩川クリーンアップ、春秋に館前広場で行う催しなど、事業は多岐にわたる。かつて多摩川にあった「登戸の渡し」を再現し、伝承する祭りは昨年、市制100周年を機に市が開催。今年は法人主体に市共催で実施した。「地域に住む方々の交流の場になるよう一大イベントとして継続していきたい」と、意欲を見せる。
○…10歳まで新宿区で育ち、百合丘へ転居して西生田小を卒業した。駒場東邦高校ではラグビーに熱中。一転、中央大学では演劇に打ち込み劇団を主宰した。卒業後は川鉄物産(現JFE商事)で国内外にあるグループ会社の工場の管理、CO2関連の原料輸入などに従事。粉骨砕身の努力で会社の成長を支えた。
○…散歩が好きだ。せせらぎ館との出会いも定年退職後に多摩川をふらりと歩いていた時。「何かに惹かれるように」入った法人は立場や関係性にとらわれず、フラットに「力まず続けてこられた」。いつしかそこが居場所となっていた。今後も仲間と共に多摩川流域の自然や歴史を継承し、市民に愛される環境づくりにまい進する。
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