戻る

高津区 トップニュース文化

公開日:2025.07.04

川崎河川漁業協同組合
「多摩川アユの遡上」初調査
釣り場づくり向上、模索

  • 手際よく背びれをカットして調査用アユに「転身」

  • 放流を行う組合員(6月27日)

 川崎河川漁業協同組合(竹仲密昭組合長)が6月27日、高津区宇奈根付近の多摩川流域でアユの放流を行った。これは、川に放ったアユの行動を監視する「遡上調査」と呼ばれるもので、同組合では初の試み。関係者は「より良い釣り場づくりのために結果を役立てられれば」と期待を寄せている。

 同組合では増殖事業の一環として、毎年春にアユの稚魚を放流。一旦、海に出た稚魚が成長し、この時期、再び多摩川に遡上するのにあわせてアユ釣りを解禁(6月1日)している。主に神奈川県内でアユの養殖を手掛けている「内水面種苗生産施設」(相模原市)では、このほど、こうしたアユの生態について詳細を把握しようと「遡上調査」を企画した。

「背びれカット」成魚放流

 この調査は通常の繁殖事業とは異なり、稚魚ではなく13cmから15cmの「成魚」を放流。目印として背びれをカットすることで釣り人が一目で調査用アユと判別できるような工夫を施している。

 背びれのカット作業は6月24日にこの生産施設で行われ、延べ4万2千匹のアユが次々に手際よく「調査用」の個体に転身。神奈川県内の主要な河川に送り届けられた。

多摩川に1万匹

 このうち、川崎市内を流れる多摩川を管轄する川崎河川漁業協同組合にはおよそ1万匹(150kg)のアユが届き、27日に放流作業を実施。多摩川で同組合がこうした遡上調査を行うのは今回が初めてともいわれており当日は組合員が見守る中、宇奈根付近の流域でホースから勢いよく放流される成魚を見守った。

「釣れたら、教えて」

 成魚のアユは性質上、産卵などのために上流域に移動するのが一般的。この日放流された「背びれナシのアユ」は、宇奈根より上流の「東名多摩川橋」付近から「せせらぎ館」(多摩区)付近の「二ヶ領宿河原堰」までのエリアに多く留まっているものとみられている。組合長の竹仲さんは「調査用に放流したアユを釣った人は、日時とその位置、個体のサイズなどを教えて欲しい」と話すと共に「(アユの)生態を少しでも数多く把握することで、今後より釣果の上がる放流計画などに繋げていければ」と、期待を寄せている。

遊漁券、スマホでも

 多摩川でのアユ釣りは基本的に「コロガシ」という手法が主流。近年では若者に人気の「ルアー釣り」も認められている。アユ釣りを楽しむには地元釣具店などで販売されている「遊漁券」が必要。ウェブサイトでの事前購入、現地購入もできるほか、スマホから簡単に入手できる「つりチケ」というシステムも導入されている。調査用アユの釣果報告先、ならびに遊漁券購入等に関する詳細問合せは【電話】044・811・5127。

ピックアップ

すべて見る

意見広告・議会報告

すべて見る

高津区 トップニュースの新着記事

高津区 トップニュースの記事を検索

コラム

コラム一覧

求人特集

  • LINE
  • X
  • Facebook
  • youtube
  • RSS