県立高校エアコン 保護者負担で導入広がる 震災影響で県予算凍結
神奈川県立百合丘高校(南生田)で7月2日からエアコンの運用が始まる。東日本大震災の影響で県の設置予算が凍結したため、同校の保護者の会が負担する形でエアコン設置にこぎつけた。同様に保護者が設置するケースが各県立高校で広がっている。
神奈川県は2011年度当初予算に県立高校と県立特別支援学校の全教室にエアコンを設置するための設計費を計上していた。東日本大震災の発生を受けて、県は震災対策の予算を優先したため、エアコン設置予算は凍結状態となった。
こうした事態に対応しようと、各校で独自の設置に向けた取り組みが動き出したという。
県立百合丘高校では今年4月、設置に関するアンケートを実施し、9割が設置に賛成したという。5月には保護者の会が設立され、検討を進めてきた。1、2年生が使用する仮校舎にはすでに設置されているため、3年生が使用する教室を中心とした11カ所に設置することを決めた。3カ月のレンタルにかかる費用は工事費と電気代を合わせて約180万円。同窓会からの寄付とPTAの一般会計から捻出した。7月2日から10月5日まで使用するという。
区内の県立高校では菅高校と生田東高校が、同様に保護者の負担ですでに設置している。
県教育局によると、県立高校全144校のうち、エアコンが現在設置されているのは89校。7校は改修工事のタイミングに合わせて県費で設置したが、82校は保護者による組織が設置したという。レンタルのほか、リースや買い取りで設置を進めるケースがある。施設の整備費などをPTAが負担することは趣旨に反するため、県では各校に保護者の組織を設置するように指導しているという。
県は将来的に予算化が決まった段階で県費負担に切り替えるとしている。買い取りの場合は減価償却を考慮した分の費用を県が負担し、リースの場合は県が契約を引き継ぐ。ただ、県費に切り替わる前の費用は負担しないとしている。
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4月19日