市内中小製造業の製品や技術に焦点を当てる「川崎ものづくりブランド」に認定された、多摩区菅の(株)サーモグラファー(山田浩文社長)の「赤外線カメラ温度チェッカー」(TGP95)。かながわサイエンスパーク(高津区)で先月、認定式が行われた。
市と商工会議所が実施する同制度は、優れた製品・技術の販路拡大や国内外へのアピールを目的に、2004年から開始。12回目の今回は新たに10件が認定され、77件になった。
操作性で成果
(株)サーモグラファーが開発したのは「赤外線カメラ温度チェッカー」。工場や発電所の維持・保全に役立つ「赤外線サーモグラフィーカメラ」(熱画像計測装置)の精度を確認するための装置で、既存の物よりも操作が簡単で、短時間で高い信頼性のあるチェックができることが評価された。
赤外線カメラは、電気設備や電柱、ソーラーパネルなど設備の劣化を調べるために使われる。老朽化が進むとその部分が熱を持つため、赤外線カメラで撮影すると破損しやすくなっていることが確認できる。
赤外線カメラの精度を保つためメーカーが定期点検を行っているが、年に1度と周期が長く、誤差が生じていた場合1年間の計測データの保証ができなくなり、莫大な損害となる。認定された「チェッカー」は持ち運びやすく、本体の開口部分が95℃に保たれており、設備診断の現場で赤外線カメラを使用する直前に精度チェックを行えるため、計測データの信頼性を高められる。
山田社長は「はじめは自分たちが必要で作ったもの。お客様の要望に応えるため製品化した。まさか認定されるとは思わず、理解してもらえたことがありがたい。需要があることもわかった。今後は装置の中の部品も川崎産にしていきたい」と語った。
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