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犯罪被害者支援条例 市、「対象は制定後」 登戸事件 既存策で対応へ

社会

掲載号:2021年12月3日号

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 川崎市が市議会に先月提出し、対象を制定後の被害者に限定する方針を示した「犯罪被害者等支援条例案」が、今月の定例会で議論される。根拠の一つとなった登戸児童殺傷事件を含め、制定以前の被害者は既存施策での支援にとどまることに対し、市議会では「柔軟に対応すべき」との声もあがっている。

 犯罪被害者の支援に向けた条例は、政令指定都市では横浜市など8都市で制定。川崎市では通学途中の児童らが被害に遭った2019年の登戸事件などを契機に、制定の動きが進んだ。市の施策では、県の条例で補いきれない住居や日常生活など中長期的な支援や、被害者に特化した専門的な相談、見舞金制度などを盛り込む。

 市は制定以前の被害者を対象外とする方針で、市議の一人は「支援が必要な人を取りこぼさないことが大切。弾力的に運用されるべき」と指摘。市担当者は「登戸事件より前に被害に遭われた方もいる。さかのぼるには公正な線引きが難しい」との考えを示す。

来春施行めざす

 制定以前の被害者について、市は既存の支援策でニーズに合わせて対応するという。一方、県の施策は被害発生から3カ月までの初期対応が中心で対象も限られる。他の市議は「遡及は困難だが、当事者にどう寄り添えるかが課題」とも。今回の条例案は新たな支援策の指針として、年内制定の見通し。22年4月の施行を目指し、具体的な支援内容などについては年明けに議論される。柔軟な対応を求めている市議は「川崎の実情に合った特色ある条例に。きめ細かな支援を求め続けるしかない」と訴える。

子どものケア連携と継続を

 条例案には現状、子どもが被害に遭った場合に特化した内容は含まれていない。神戸市は「子どもの学習支援」、三重県は「学校との連携」などを明文化している。各地の団体で組織する全国被害者支援ネットワークの担当者は「小中高校、大学と環境が変わる中で適切な機関につながりにくく、長期的に苦しむ人もいる」とし、関係機関の連携、中長期的な継続支援の必要性を説く。「条例で示されることが支援体制の強化にもつながる」と強調した。

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