元川崎市立小校長で菅北浦在住の佐藤行教さん(75)がこのほど、菅の魅力を収めた書籍『菅さんありがとう ふれあいの花が咲く町 菅百八話』を刊行した。人々の「生きた姿」に焦点を当て、自然や歴史を時代順に紹介。佐藤さんは「お世話になった菅の町に恩返ししたい」と思いを語る。
304ページに及ぶ同書は、宇宙の誕生「無の時代」から「令和時代」まで、郷土史を108話で構成。自然や寺社、戦争、年中行事等を取り上げ、「菅地区の大地で暮らす人々」(第四話)、「菅村の誕生にご尽力された人たち」(第三三話)など、人々に視点をあてたタイトルが各話に付けられている。
菅地区に住み50年近くになる佐藤さんは、市郷土研究会や市博物館資料調査員として郷土史を探究。1990年に開校した西菅小での勤務時代は、率先して地域の資料を収集し副読本を手掛けた。退職後はボランティアで東菅小の郷土資料室の管理を担当。両校で作成した「いろはかるた」についても、今回の著書に解説付きで掲載した。
編集や校正にかけた期間は4年ほど。佐藤さんは「取材や写真の了解を得るために何百件聞いたかわかりません」と笑う。歩いて回る中で、地域の温かさも実感したという。「くじけずにエネルギーが湧いてきた。この冊子を通して人と人の結びつきを強くし、笑顔あふれる地域社会になれば」と期待を込める。
最近では菅地区の墓を調査している佐藤さん。「先人の皆さんのご苦労があって、今の菅がある」。その思いは、今回の表題「菅さんありがとう」にもつながる。書籍に関する問合せは【電話】044・944・2964。
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