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公開日:2023.10.27

川崎市
「グリスロ」導入へ検証
遊園・緑地間を試験運行 

  • 試走に使用される車両=市提供

  • 運行の概要=市資料より

 川崎市は11月2日(木)から12日(日)まで、電動車両を活用した移動サービス「グリーンスローモビリティ」(グリスロ)の試験運行を向ヶ丘遊園駅南口と生田緑地の間で実施する。市は来年開かれる「全国都市緑化かわさきフェア」での活用も視野に入れ、「試験運行を通じて、将来的な適用の可能性について課題などを整理、検証していきたい」と話す。

 グリスロは、時速20Km未満で公道を走ることができる電動車を活用した小さな移動サービスのこと。導入することで地域が抱えるさまざまな交通課題の解決や低炭素型モビリティの普及が期待される。市内では昨年9月に麻生区虹ヶ丘で自動運転によるグリスロの実証実験が実施されている。また、多摩区内では今年2月、周辺交通への影響を検証するため、今回とほぼ同じコースで警察などによる試走が2日間行われた。東京都豊島区の「IKE BUS」(イケバス)など実際に導入している自治体もある。

 今回は一般を対象とした初の試走。全長約4・3m、幅2m、高さ2・4mの小型電動自動車1台を運行する。本来10人乗りだが、今回は向ヶ丘交通(株)イースタンが派遣する運転手と市が委託する調査員を除いて定員は8人。運行期間は11月2日から12日まで(6日(月)は運休)で、時間帯は午前9時30分から午後4時30分頃。向ヶ丘遊園駅南口を起点に生田緑地内の西口展望広場で折り返し中央広場を終点とするAルートと、中央広場から同駅までのBルートで走行する。ただし、12日は登戸区画整理区域内で開催される「ミライノバ ハレの日」と連携しイベント会場の登戸駅周辺と中央広場の往復となる。運賃は無料。同駅南口と中央広場で整理券を配る(12日は別途)。乗車時には調査員がアンケート記入の協力を求める。

緑化フェア視野に

 生田緑地は2024年に開催される全国都市緑化かわさきフェアのコア会場となっていることから市は、駅からのアクセスや会場内での移動をサポートする手段の一つとしてグリスロの有効性を検証し、フェア実施時の運行につなげたい考え。加えて、将来的な導入の可能性も探っていく構えだ。市交通政策室は、「今回は曜日ごとの乗車人数の把握や検証を目的としており、具体的な人数の見込みは定めていない」とし、「より多くの方々に新しいモビリティの楽しさを体験していただきたい」と呼びかけている。詳細は市ウェブサイト(https://www.city.kawasaki.jp/500/page/0000155224.html)。

 人や環境にやさしい交通環境の整備を目指す市は、地域特性に応じた公共交通ネットワークの形成を図り、予約制の相乗り型サービス「デマンド交通」の実証実験や、地域住民が主体的に運営する「コミュニティ交通」の取り組み、川崎臨海部での連節バス(BRT)導入、ユニバーサルデザイン(UD)タクシーの普及などに努めてきた。加えて、脱炭素社会の実現を目指し、燃料電池自動車「ミライ」の公用車への導入や、ハイブリッドバスの活用など環境配慮型車両の活用も進めている。

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